マリンスポーツ、特にサーフィンをしている人は、すぐに髪の毛がバサバサになったり、髪の毛が茶色くなったりしませんか?
ウエイクボード(淡水)をしてた頃も毛先が傷んでるなぁと感じていましたが、サーフィンは、なおのこと。紫外線や潮水で髪の毛が傷み、くしでとこうとしてもとけなかったり・・・。ウエットのジップに挟まって切れたこともあります。メッシュを暗めに入れて、分からないくらいだったのが、海に入るとキンキンになっててびっくり!
髪が傷みやすいので、ヘアケアには少し気をつけています。
太陽の下で思いっきりサーフィンやマリンスポーツを楽しむ方でも、髪の痛みが気になる方にケア方法を紹介したいと思います。是非、参考にしてみてください。
髪の毛について
人の頭髪もその表面はスケールによって被われていて、この最外層の細胞をキューティクル(Cuticle)と呼んでいますが、キューティクルは化学的抵抗性も強く、内部の毛髪繊維90%を占めていて髪の太さ、弾力性、柔軟性を支配して水分のコントロールをしているコルテックス(Cortex)とメデュラ(Medulla)と呼ばれる内側の細胞を保護しています。(図2)
キューティクルが失われますと、保護作用がなくなり毛髪中の水分が失われたり、重金属イオンを吸着しやすくなり、その結果髪のパサつきを生じます。
ヘアケアの科学 ライオン家庭科学研究所 永山 升三、西尾 宏
サーフィンなどマリンスポーツをしている人が髪を傷めやすい原因
紫外線ダメージがキューティクルを剥がす
下記文献より研究結果から、
髪の毛も頭皮も、長時間浴びると、日焼けしてダメージを受けてしまいます。髪の毛は、紫外線によりキューティクルの抵抗性が減少し剥がれが生じめくれ上がりが生じるそうです。紫外線によってキューティクルは、システン等の構成アミノ酸(タンパク質)が壊され、強度が低下する一方で、比較的柔軟性のある非ケラチン組織が変化し、その柔軟性も失われると考えられているそうです。
紫外線は髪をコーティングしているキューティカルを剥がします。キューティクルが剥がれた髪は、コーティングがなくなるので
・乾燥する
・栄養分が抜けやすい
・キレやすくなる
・ツヤがなくなる
などといった影響が出ます。
研究結果より毛髪の曲げに対するキューティクルの柔軟性が紫外線により劣化することを示している。紫外線により曲げ及び引っ張るといった物理的な力による変形に対するキューティクルの抵抗性が減少するためにキューティクルの剥がれが生じ、一層から数層にわたるキューティクルのめくれ上がりが生じるものと考える。
ケラチン繊維の摩擦あるいは、ねじれによる破損は、主として細胞膜合体で起こり、脂質二分子膜層から亀裂破損すると考えられている。また、超音波処理によるキューティクルの剥離は、キューティクル間に亀裂が入る事によって生じると報告されている。紫外線照射毛の破損部は、キューティクル層の細胞膜複合体、紫外線の影響が著しい場合は外層だけでなく内側のキューティクル層に於いても損傷が見られることがわかった。キューティクルの柔軟性劣化はUVBの影響が著しく、比較的少ない照射量で急激な変化を引き起こす。一方UVAの影響は比較的小さく、キューティクルの柔軟性劣化は穏やかに進行する。日光についてもキューティクルの柔軟性劣化は、比較的穏やかに進行する。
通常のパーマ処理及びブリーチ処理に於いては、いずれもキューティクルの著しいめくれ上がりは観察されなかった。細胞膜複合体は、アルカリ還元及び酸化等の薬剤に対する抵抗性があることが示されており、通常のパーマ及びブリーチ処理は、細胞膜複合体に与える影響が比較的小さいことが考えられる。
キューテクルの剥離損傷についてじゃ、シャンプー、タオルドライ、ブラッシングに於ける摩擦力が主原因とされ、パーマやブリーチといった薬剤処理及びドライヤー等の熱処理が副次要因として促進する考えられていた。しかし、本研究により紫外線もまたキューティクル剥離に非常に大きな影響を及ぼすことが明らかになった。
キューティクルの柔軟性に与える紫外線の影響 新條善太郎、定井正直、中村晶、西川直樹
海水が髪の主成分を溶かす
海の成分の8割が塩化ナトリウム、1割が塩化マグネシウム、残り1割が硫化カルシウム、硫化マグネシウ、塩化カリウムなどが含まれています。髪の成分で潤いなどを保つケラチン。海の成分であるマグネシウムは髪の成分であるケラチンを凝固させてギシギシの手触りになります。硫化カルシウムなども髪にダメージを与えつやがなくなったり、切れ毛になったりするそうです。また、海水は塩分が多く含まれ髪の内部の水分が排出され髪の毛が乾燥します。
このような影響から
・乾燥してバサつきやすい
・色が落ちる
といった影響が出ます。
マリンスポーツをしている方の髪の毛の傷みに効果的なヘアケア
紫外線・海水で、髪の毛が傷みやすい環境にあるサーフィンやマリンスポーツをしている方々。少しでも髪の毛の傷みを減らすには、どのようなケアをすれば?と悩んでいる人も多いと思います。
美容師の友人にもケアの方法を聞いて実践しているからか「サーフィンしてるわりに傷んでないね」と言われます。自分でも絡むこともないし、引っかかったりしないです。
トリートメント剤は髪の損傷を進まないように保護するとともにある程度の修正を目的とした商品です。損傷した毛髪は、髪のつやがなくなり、もろく、固くパサつきヘアスタイリングも思うにまかせない状態になります。この悩みを解決のために使用されるのがトリートメント剤です。
トリートメント剤に求められる機能は、①毛髪の保護、修正をする。②つやを与え、しっとりした風合を回復する(コンディショニング性)ことです。
トリートメント剤の主成分はリンス剤とほぼ同様ですが、各成分の配合量が多くなるとともに、パーマやヘアダイなどの毛髪損傷により失われた成分を補うためにタンパク質が配合されているのが特徴の蛋白質は通常オリゴペプチドとしてコラーゲ ン、卵白アルブミン、絹フィプロイン、ケラチンなどの加水分解物が使用され、またそのアシル化誘導体も用いられます。これら蛋白の加水分解物やその誘導体は、毛髪に吸着し損傷を防止し、ある程度の修復効果があることが知られています。
ヘアケアの科学 ライオン家庭科学研究所 永山 升三、西尾 宏
海に入る前
・髪の毛にオイルを塗ってから、髪の日焼け止めスプレーをつける。
サーフィン前・後にオススメのオイル ↓
オススメ日焼け止めスプレー↓
・サーフキャップをかぶって頭部・髪の毛を紫外線から守ります。できれば髪の毛をまとめてなるべく日に当たらないようにするのがおすすめです。またサーフキャップは顔や目の日焼け防止と日差しの眩しさも抑えてくれるのでおすすめです。
海上がり
・真水で流す
海から上がったらすぐに真水で海水を洗い流しましょう。
・シャンプー・トリートメントで洗う。
・濡れた髪にオイルをつける(家が近い場合は帰ってすぐに髪の毛を乾かす)
トリップや家が海から遠くてシャンプーやリンスで洗えない場合や髪の毛を乾かせない倍は、洗わないでいいヘアオイルをつけて髪の毛を保護しましょう!
寝る前(お風呂上がり)
・シャンプー・リンスは必須です。汚れをしっかり落とし風呂上がりは、髪を乾かす。友人の美容師にはしっかり乾かせと言われて、毛先まで乾かします。若干乾いてない時もありますが、洗い流さないオイルをつけて髪のダメージを抑えてあげましょう。
家では大きめのヘアオイルを使用しています!
髪の色落ちが気になる方に・・・
紫外線と海水のダメージで色が抜けて気になる方は、ヘアカラーシャンプーがおすすめです。
色が落ちて明るくなりがちです。ヘアカラー後の色を落ち着かせてくれます。
染めた色でヘアカラーシャンプーを選んだ方が良いみたいです。
シルバー:カラーリング後の黄ばみを予防しアッシュ系(グレー・シルバー・ベージュ系のカラー)カラーをキープ
ブラック:黒髪をより艶やかで瑞々しい黒髪に。気になり始めた白髪カバーにもおすすめ
ムラサキ:ブリーチ後の黄ばみを予防しプラチナカラーをキープ(寒色系やバイオレット系のカラーの方は紫がオススメ)
ピンク:髪の黄ばみを予防し、ピンク系(暖色系)のカラーキープ。
ブラウン:退色した髪色をまるでサロン帰りのようなリッチなブラウンヘア
まとめ
海で遊ぶサーファーや、マリンスポーツが趣味の方は紫外線と海水で髪のダメージが激しく、髪の毛が傷みやすいです。
しかし、それ以上に辞められないほど魅力的なマリンスポーツ。
しっかりヘアをすればダメージも少しは抑えられます。
・海に入る前にヘアオイルと日焼け止めスプレー、帽子で髪の毛を保護。
・海あがり(海水を洗い流し(真水・できればシャンプー・リンス)、髪の毛を乾かせない場合はオイルにて保護)
・日頃のケア(シャンプー・リンス・髪をしっかり乾かす・洗い流さないオイル)
趣味やレジャーを楽しみながら、綺麗な髪を保ちましょう🎵