理学療法士と検索すると理学療法士・オワコンと出てきます。実際にリハビリ職がオワコンなのかと言われますが、その方の環境によって変わると思います。医療従事者の大部分は人対人の仕事なので制約を受けやすいです。
職場やワークスタイルによっては、リハビリ職として楽しく働いている方もたくさんいますし、現に私も3回転職しましたが、病院、訪問、通所や介護施設など経験してどこも楽しく面白さや勉強になることばかりでした。周囲の意見に耳を傾けることも大切ですが、それ以上に自分がどう感じるのかを優先し、本当にオワコンかやめた方がいいのかどうかを判断してみてください。
理学療法士・作業療法士の仕事はメリットもたくさんあります。
今回リハビリ職が辞めておけ・オワコンと言われる理由と今後も見通しやあり方について話をしていこうと思います。
リハビリ職が辞めとけ・オワコンと言われる理由6つ
給料が上がりにくい・給料は低い
給料が上がりにくい点です。リハビリによって報酬を得ていますが、その単位数には限りがあります。さらにリハビリによる料金は国によって定められているので稼げる額には限界があります。また、4年に一度の改訂報酬などで料金の見直しなどもあり今後も下がる可能性があるため、料金が上がるどころか、下がってしまう可能性もあります。昇給に関しては毎年昇級がないもしくは2000〜5000円/月が多いようです。1年でつき3000円昇級するところが多いようです。10年働いても一年目と比較して月給3〜5万円ほどしか昇級しないと考えると仕事してて辛くなります。私が今働いている場所は昇級が2〜3年に一度上がるかなという感じなのであまり給料が上がらないというケースも多いと思います。
賃金構造基本統計調査によると平均年収は426万円です。他の医療職種と比較してもリハビリ職は低水準です。
リハビリ職の数が年々増加している。
リハビリ職の数が年々増加している点です。厚生労働省が調査したPT合格者数の推移は、毎年1万人ほどの理学療法士が誕生しており年々右肩上がりです。2012年度の国家試験合格者が約10万人であるのに対し、2020年度の合格者はその倍の約20万人とされています。年々理学療法士が増えていくのに、平成2年を境に病床数は減少しています。病床数は減り、PTは増加していくと飽和状態になっていくと予想されます。
スキルが給料に反映されにくい
スキルが料金に反映されにくい点です。先ほど解説したように給料が上がりにくく、役職がついても7000円〜10000円程度で微々たるものです。新人とベテランを比較しても給料はほとんど変わりないと思います。スキルを高めて成果を出したとしても、それが給料に反映されることはほとんどありません。それはリハビリ職は基本的に人対人の仕事です。取得単位数で評価されることも多く、セラピストにより業務評価が偏ってしまいます。また、大きな病院では学術発表や論文投稿は実績として形に残るので業務評価として扱いやすいですが、臨床化として特化しているセラピストは不利になってしまします。
仕事が忙しい
仕事が忙しいという点です。リハビリだけではなく、カルテ記入や書類業務、部署内の係の仕事など、やることが様々です。中でも、病院勤務の時は昼休みも取れないくらい忙しい時がありました。もちろん、昼休憩がないからといってもその分残業など取れるわけでもなく・・・。働く場所によって残業しなくても時間内に終わるところもあるので、働く場所や環境に左右されると思います。
力仕事も多く、長く働き続けられない
働く場所によっては力仕事も多いために、長く続けられるかわからない点です。患者さんや利用者さんの歩行や異常、立ち上がりなど解除する機会も多いです。特に病院や施設では介助量も多い人もいるため、ある程度力も求められます。若いうちは大丈夫かもしれませんが、年齢とともに体力が落ちていくと、続けられるのか不安に思ってしまします。
力仕事が多いことで、腰痛や関節の痛みなどに悩まされるケースもあると思います。働く場所や職場環境にもよると思いますが、定年まで働ける体力が続くかどうかは分かりません。
感染拡大時の労働環境
コロナ感染やノロウィルスなどクラスターが起きたら、感染していない人のリハビリを提供しないといけないので、ガウン・ゴーグル・N95マスクの装着し汗だくになりながらリハビリを提供します。また、自分が感染源にならないようにするために外出や外食の制限も言われるし、世の中の感染対策が緩んできても感染対策を行わないといけません。
リハビリ職はやめた方が良い?
リハビリ職はオワコンと言われ、やめるべきか考える方もいると思います。しかし、そのような簡単な気持ちでやめると、後々後悔する可能性があります。自分が何に悩んでいるのかを深く掘り下げ考えたうえで、それがリハビリ職を辞めることで解決できるのかをよく考えた方がいいです。いろんな方の意見を聞き、新しい解決法も聞けるかもしれません。また、金銭面で悩んでいるのであれば転職や副業などによって解決できるケースもあります。働き方で悩んでいるのであれば、いろんな分野で試してみたり、話を聞いて自分に合いそうな働き方を探してみるのも良いでしょう。どんな仕事を選択しても
、自分のビジョンがしっかりしている人、資格をとって何をやりたいのかという考えの方が大事になってくると思います。
リハビリ職のメリット
デメリットを話してきましたが、メリットもあります。
仕事がなくなることはない
リハビリ職は国家資格なので、仕事を安定して確保できます。リハビリ職は数が増えているといっても、高齢化社会でもあり、今すぐに仕事がなくなるわけではありません。アルバイトもたくさん募集があるので、柔軟な働き方もできます。そのため条件などを考えなければ困ることはありません。また、国家資格があるので、一定の収入を見込めるというメリットはあります。
たとえ一時的にリハビリ職を辞めて他の仕事をしたとしましょう。仕事がうまくいかずに辞めたとしても、リハビリ職として復帰することは十分に可能です。
さまざまな職場で活躍できる
リハビリ職のスキルを活かせる場所は幅広く、さまざまな職場で活躍が期待できます。病院やデイケアなどの通所系、老健などの施設だけでなく、教員や研究などの分野でも仕事をしているリハビリ職もたくさんいます。またスポーツ領域にて、アスリートのサポートをしたり、若い世代の方達(学校での部活チームやクラブチームなど)に運動を教えたりするリハビリ職の方もいます。
介護福祉士や医療機器に携わる企業に転職し、理学療法士としても経験を活かして活躍する方も珍しくありません。このように臨床だけでなくさまざまな場面で需要があることがわかります。
住む場所に困らない
基本的には病院や施設などで働く人が多いです。日本全国病院や施設はあるので自分が住みたい場所で就職活動をすれば高確率で就職することができます。
私もサーフィンのために海の近くに移住して、就職活動も移住してから2〜3ヶ月後にしましたが、就活し始めてから(面接なども含めて)2週間ほどですぐに就職することができました。
やりがいがある
医療職は感謝をされた時にやりがいを感じる人も多いと思います。患者さんや利用者さんが自分がリハビリプログラムをたて提供し、改善していく場面を目の当たりにすることができます。少しづつ良くなり本人さんの喜ぶ姿を間近で見て、感謝されると本当に嬉しいものです。
どの仕事もそうですがやりがいがないと、仕事は続かないと思います。
働き方ややるべきこと
リハビリ職が今後生き残る上でしていた方が良いことを紹介します。
専門性を高め、認定資格を取得
リハビリ職が有利な資格をとったり、専門性を高めることが大切です。一般的な知識を証明するためにも認定資格を取得しましょう。認定資格や有利な資格を取得しておくことで、仕事や転職活動で有利となります。
副業して別のスキルや資格を取得し選択肢を広げる
・医療職とは関係ない資格:簿記・ITパスポート・ビジネス会計検定・給与計算実務能力検定試験など
・副業:ブログ・Webライター・せどり・動画編集など
別のスキルを新たに身につけることは簡単ではありませんが、副業を続けたり医療と関係ない資格を取得することで仕事の幅が広がるきっかけになると思います。そのほかにも、訪問リハビリやスポーツトレーナー、パーソナルなど理学療法士を生かした副業もあります。
通所や整体院として開業、医療関係の勉強会の開催など開業する方法もありますが、色々注意事項等もあるようです。開業などされたい方や自分だけの力で収入を得たいと思っている人は、開業としての働き方も勉強した方が良いと思います。
働き方を見直す
理学療法士や作業療法士という資格は国家資格でもあり、武器にもなりますが、必ずしも使わなくてもいいです。一般企業に勤めながら、月に2〜3回程理学療法士の資格を使って副業もできます。
・今の生活があってない
・生活がしんどい
・仕事に行きたくない
などと感じる人は、働き方を見直し、少しだけ工夫してみるといいかもしれません。
働き方や仕事を選ぶにしろ今の世の中はスキルや特化した強みがないと難しいです。自分は他より何か優れているのか?何かに特化できているか?を考え、自分のスキルを発揮する環境や主張していくことが大切になります。