たくさんの中からりんちゃんブログを見ていただきありがとうございます。
現在高齢化が進み、高齢化施設でも重度化予防のためにも自立を支援する取り組みがされています。
寝返り、起き上がり、移乗や移動といった動作に対する介助を基本として、食事・排泄・入浴などは介護者が関わる中でも自立支援を行う上過介助にならないように介助が行われているところが多いと思います。
上記で挙げた動作は時間してわずか一時で、利用者さんの生活の大部分を占めているのが静的姿勢であると言えます。
施設ケアは、提供側からみれば、日課と身辺ケア(4大介護)の遂行は主要な活動だが、利用者の生活時間割合からみると消費時間はごく一部の時間でしかなく、長い自由時間の過ごし方により個性が表現されている、と報告している。
長い自由時間をベッド上あるいは車椅子上で、仰臥位や座位などの静的姿勢で過ごすことは筋肉や関節を硬くさせて拘縮を進行させてる原因となります。安静にする時間が長くなると身体機能面が低下し動きたくでも自分で思うように動けなくなり、自分の動きやすい方向・動きやすい動きや癖を繰り返し過剰に使ってしまうことで持続的な筋収縮や連合反応を引き起こし、不自然な姿勢になってしまいます。
このような状況が続くと、日常生活の動作がさらに行えなくなり、生活の質が下がってしまいます。このような状況は利用者さんの生活の質を下げるだけでなく、介護するスタッフのケアも難しくなってきます。
実際に介護現場で働いてみても座位やベッド上で過ごしている方が多いです。
ポジショニングとは
予防や自立を支援する、より積極的な姿勢のケアとしてポジショニングが必要になってきます。
ポジショニングの定義
動けないことにより起こされるさまざまな悪影響に対して予防対策を立てること、自然な体軸の流れを整え流とともに、安全・安楽の観点から体位を評価し、現状維持から改善に役立つよう、体位づけの管理を行うことと定義している。
引用:「実技・終末期リハビリテーション」荘道社 21貢2009 大田仁史、伊藤直栄、真寿田三葉
ポジショニングの基本
ポジショニングの基本は「良い姿勢」の保持です。良い姿勢を保つためにも、「安定性」が重要になってきます。「安定した姿勢」は、患者さんや利用者さんにとって疲労が少なく、痛みがない「安楽」につながります。
安楽で安定した姿勢は、痛みなどなく変に力が入らないため緊張が緩み呼吸が楽になったり、変に力が入らないために疲労も少なくなります。力がぬているために介助する方も楽に行うことができます。
ポジショニングの基本は7つの大きな部位(頭、胸郭、骨盤、両腕、両足)のバランスをとる能力をサポートすることであり、身体の重さをどこかに支持面に預ける環境を提供することでバランスをとることから開放され、対象者自身の動きが促進される。
引用;褥瘡予防とポジショニングの実際 月刊ナーシングVo28 No.9 17-40貢 2008 田中マキ子
ポジショニングの目的
・接触面積を増やし体圧分散させて姿勢を安定を図る(リラックスできる姿勢)
・快適な姿勢を作る
・皮膚表面の通気性を確保する(皮膚同士の接触を避ける)
・関節拘縮の悪化を防止する
・褥瘡予防(床ずれ予防)
・変形予防
・呼吸をしやすくする
・嚥下摂食を円滑に行える(食事を行いやすくする)
・介護する側も楽に介護を行える
ベッド上におけるポジショニング
ベッド上でのポジショニング(仰臥位)時にみるポイントは・・・
・円背の有無を確認(円背が強い方が仰臥位が難しいです)
・体幹より前方に肘を保持する
・骨盤帯が不安定な場面は、空間を補う厚みのクッションを臀部に使用する
・膝関節屈曲拘縮を予防するため、下肢後面の前面にクッションが当たるようにする
どうしても、隙間や浮いている状態になると不安定なために力が入ってしまいます。
利用者さんが安定するためには、全身を包み込むようにクッションを使用して行うことが大切です。
体は全身繋がっています。どこか一部でも捻れていると、重力の影響で骨盤や胸郭が捻れ、骨盤が歪むと脊柱にも影響してしまいます。
捻れは筋肉の萎縮につながります。
肩や骨盤が安定し身体が揺れ動かないようにクッションで支えるようにしましょう。
仰臥位ポジショニングの手順
・身体にフィットし、その形を保てるものを選びましょう。
・身体が寝具から浮いている箇所は土台を作り、しっかり体重が乗るようにしましょう。
・クッションを広げて広い面で体重を受けるようにしましょう。
・ポジショニング後はクッションと体の間に手を入れ厚抜きをしましょう。
ポジショニングやベッドの角度を変えた際などは必ず厚抜きをしましょう。
実際にやってもらうと分かるんですが、私も新人の頃に実際にベッドに寝てあげてもらうと背中部分が窮屈になりすごく気持ち悪かったのを覚えています。厚抜きすると窮屈感がなくなるので、苦痛感がなくなりリラックスできます。必ず行うようにしましょう。
仰臥位のポジショニングで確認するポイント
・どこで支えているのか確認する。
ちゃんと体圧分散ができているか?一点に集中してないか?を確認しましょう。
・股関節の可動性、大腿部下の隙間を確認する。
大腿部の重さが臀部で支えてないか?支えているのであれば大腿部でしっかり受けるために太ももの付け根部分で支えるようにしましょう。クッションはしっかりと臀部近くまで敷き込むようにしましょう。
クッションに足がしっかり乗るように大腿部に上から軽く圧をかけてコロコロ回旋(内外旋)させてクッションになじませましょう。
・上肢(腕)も同様にどこで支えているのか確認しましょう。
可動性や重さを確認しどこで支えているのか確認しましょう。腕だけでなく肩全体の重さやどこで支えているのかを確認します。上肢の拘縮がある場合が多いです。無理やり引っ張らずに優しく外旋を入れるようにして開きましょう。
ブーメラン型やくさび形など、肩の奥までしっかりクションをいれ肩から腕全体が乗りやすいクッションを使用します。重さを支えている部分までしっかり敷き込みましょう。
下肢同様にクッションに重さがのりやすいように上腕、前腕を上から軽く圧をかけてコロコロ回旋(内外旋)させクッションになじませましょう。
・頭部も同様でどこで支えているのか確認をしましょう。
頭部・胸部全体で支えれるようにクッションは重さがかかるところまで敷き込みましょう。
側臥位でのポジショニング
側臥位の場合は、背中だけにクッションを入れて姿勢保持をしてはいけないと言われています。重力の影響で骨盤や胸郭が捻れてしまうからです。骨盤が歪むと脊柱にも影響し楽な姿勢をとることは難しくなるので注意しましょう。
・体幹の捻れ具合、臀筋の萎縮などによって体幹部の角度を調整する。
・角度を定めたら、肩や骨盤が安定し身体が揺れ動かないようにクッションで支える
・足が交差している場合、足の交差をなおし下肢下面の接触面積を増やすようにクッションを設置する
側臥位のポジショニングでは、クッションを深く重さがかかるところまで敷き込み、背部・臀部・大腿で支えるようにしましょう。
その際も仰臥位同様に一点で支えてないか?姿勢が歪んでないか?など確認をしましょう。
仰臥位では、身体のラインに合わせやすい長方形の大きなサイズを選択すると良いかと思います。長方形の大きなサイズは側臥位や下肢拘縮のある方に向いています。
尖足予防におけるポジショニング
足首が上に上がらなくなる(背屈)できなくなってしまい、常に足先が下を向いている状態(底屈)で拘縮してしまうと移乗や立ち上がり、歩行だけでなく車椅子保持も難しくなります。
座位姿勢では足底がしっかり地面につくことで食事を食べる時の嚥下状態にも関わってくると言われています。
これらを予防するためにも尖足予防のポジショニングが重要になってきます。特にベッド上で過ごすことが多くなると布団の重さや膝の屈曲拘縮で尖足拘縮を誘発してしまうので、尖足を予防する対策としてポジショニングは効果的です。
・布団の重量が足背部にかかることを避けるように支持物を配置する。
・膝の屈曲するのを防ぐためにアキレス腱部を支持する。
・踵部が浮いているか確認する。
上記ポイントを確認し対策を立てましょう。
ポジショニングをして終了ではない!必ず体位変換をする
長時間の同じ姿勢は同じ部分に圧がかかります。長時間同じ部分に圧がかかると、褥瘡になる可能性があるためポジショニングをして終わりではなく、定期的に体位変換を行うことが大切です。
体位変換の方法
骨が突き出てない広い面積のお尻の筋肉で体重を受けるように30度側臥位を行います。
側臥位をとる場合はクッションを活用し、出来るだけ広い面積で姿勢を保つようにします。個人差があるのであくまでも「30度」は目安です。
まとめ
ポジショニングの目的は、
・接触面積を増やし体圧分散させて姿勢を安定を図る(リラックスできる姿勢)
・快適な姿勢を作る
・皮膚表面の通気性を確保する(皮膚同士の接触を避ける)
・関節拘縮の悪化を防止する
・褥瘡予防(床ずれ予防)
・変形予防
・呼吸をしやすくする
・嚥下摂食を円滑に行える(食事を行いやすくする)
・介護する側も楽に介護を行える
など利用者さんや患者さんの生活動作の悪化を防ぎ、緊張や不安を取り除くことで安楽な姿勢を保つようにします。安楽な姿勢を保つことで呼吸や食事のしやすさや変形・拘縮を予防し介護する側もされる側もきつい思いをしなくて済みます。
ポジショニングでの注意事項として
・歪みや筋緊張を把握・確認する
・頭から足側へ順番に体位変換を行う
・身体を動かした際にズレがないか確認する
・重力をうまく利用しポジショニングを行う
・本人様が動ける動作を妨げないようにする
・同一姿勢保持はさけ定期的に体位変換を行う
ポジショニングは、したら終わりではありません。ポジショニングをしても、長時間の姿勢は姿勢が崩れてきます。その都度修正を行い、定期的に退位変換を行うことで筋肉の負担や圧を分散できるように必ず体位変換を行いましょう。
皆さんも不安定な場所にいる時って力が異常に入ってしまったり力んで動きが硬くなったりしたことがあるのではないでしょうか?ベッド上であれ姿勢が不安定であればどうしても無駄に力が入ってしまいます。
不安定な姿勢にならぬように、うまくクッションで安定する姿勢を作りましょう。一点に圧が集中してないか?身体とクッションの間に隙間ができてないか?よく確認をして利用者さんが少しでもリラックスできる環境づくりを心がけてみてください。
引用:Taica Wellness ポジショニングについて https://taica.co.jp/pla/product/about_positioning/
ポジショニングによる動きの支援の効果ー特別養護老人ホームにおける事例研究ー木林身江子、秋山みゆき
勉強会資料(詳細不明 過去に受けた資料から)