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介護やリハビリあるある

手で触れることで得られる効果と触れ方(臨床で気をつけていること)

たくさんの中からりんちゃんブログを見ていただきありがうございます。

子供の頃などに痛みがある部分を親から「いたいのいたいん飛んでいけぇ〜」としてもらった経験があるのではないでしょうか?痛みや違和感がある部分は手で摩ったり抑えたりする人が多いと思います。

「手あて」という言葉があるように、手で触れて相手とコミュニケーションを図り、相手に寄り添うケア手法のひとつです。 タクティール®ケアとは「触れる」という行為そのものが生み出す相手との信頼関係や、分泌されるホルモンの働きにより、認知症でみられる周辺症状の緩和が期待できるケアです。

実際に技術がなくても、さするだけでもその部分が温まり血行が良くなることで緊張が緩んだり、リラックスできたり、痛みが軽減します。私も痛みがあるとついつい手で摩ってしまいます。皆さんはどうでしょうか?!

今回はそんな手で触れるケアについて紹介していきたいと思います。

触れるケアの定義

触れるケアとは皮膚を撫でる・さする・手を当てるなどの方法を用いて行わせるケアでタクティールタッチやマッサージ、タッチ、タッチング、タッチケアなどを包括したものである。

触れるケアの効果 山本裕子

タッチ/マッサージの概念的定義

研究で川村ら(2004)や杉野(2003)による定義や記述を参考に、タッチ/マッサージを「患者の安心や安楽を図ることを目的として看護者が意図的に身体的接触を図るものであり、手を当てる、さする、揉む、圧迫するなどの方法によって行われるもの、非言語的コミュニケーションの一つであり、痛みを軽減し、安楽する技術」と定義した。

看護におけるタッチ/マッサージの研究:文献レビュー 川原由香里、奥田清子

皮膚について

皮膚の発生

引用:触れるケアの効果 山本裕子

皮膚は、脳や目、耳などと同じ外胚葉から発生し表皮の基本構造ができるのは胎生2〜3週ごろです。五感の中で一番早く発達する感覚が触覚です。皮膚は脳に匹的する情報を処理する機能を備えています。

皮膚の構造

引用:触れるケアの効果 山本裕子

皮膚の構造は、表皮、真皮、皮下組織からなります。表皮は、厚さ0.06〜0.2mmで深部で細胞分裂が起こりその細胞は形を変えながら表面に向かってケラチノサイトと呼ばれる細胞によって形成される各層となります。

表皮にの底部は肌の色を決める細胞であるメラノサイト、免疫系細胞であるランゲルハンス細胞があります。真皮にはコラーゲンなどを作る線維芽細胞、免疫や炎症に関与するマスト細胞などが点在しています。

皮膚感覚受容体

皮膚感覚には、触覚、圧覚、痛覚、温覚、冷覚など主に皮膚に存在する受容細胞によって受容され、体の表面で知覚される感覚を言います。感覚は複数の受容器で認識され、それが脳に刺激となって伝えられることで感じます。

感覚受容体には、マイスナー小体、パチニ小体、メイケル触盤、クラウゼ小体などがありそれぞれの感覚受容体の感覚と分布場所があります。(表1)

皮膚感覚受容器感覚分布場所備考
マイスナー小体触覚・圧覚・振動主に表皮下層
パチニ小体圧覚・振動真皮下層
皮下組織
皮膚がギザギザ状に動かされた時に反応し、安定した圧力では反応しない
メンケル触盤触覚・圧覚表皮持続的な皮膚への圧力によく反応する
自由神経終末触覚・圧覚・痛覚・温覚・冷覚・かゆみ
ルフィニ終末触覚・圧覚・温覚・冷覚真皮引っ張るような動作に対してよく反応する
毛包受容器触覚・圧覚毛根部
クラウゼ小体触覚・圧覚・冷覚唇や肛門周囲などの皮膚粘膜移行部

表1 皮膚感覚受容器体の感覚と分布場所(山本作成) 引用:触れるケアの効果 山本裕子

表皮を形成するケラチノサイトが外部から刺激を認識し末梢神経C繊維を通り脊髄にいくことを明らかにし、人の最も外側にある表皮が皮膚感覚の最前線であると報告しています。

皮膚の機能

皮膚には保護作用、バリア作用、分泌・排泄作用、吸収作用、体温調整作用、呼吸作用、知覚作用、抗体産生、ビタミンD形成機能があると考えられています。

オキシトシンは繰り返し皮膚に触れる行為により分泌されます。オキシトシンの効果はいかに記載しています。

オキシトシンの効果は母乳の分泌促進、陣痛の活動開始、痛みの限界度上昇、胃腸の活動増進、攻撃性の減少と恐怖感の緩和、落ち着き、脈拍と血圧をコントロール、結びつきの強化、記憶力の維持、恒常性の維持(ホメオスターシス)などでオキシトシンの木として表している。

そしてオキシトシンは繰り返し皮膚に触れる行為により分泌しその効果は長期間にわたって持続することが周知されようとしている。

引用:触れるケアの効果 山本裕子

不快を感じない触れ方

触れ方にもさまざまな触れ方があります。叩くやつねる、殴るなどの行為は相手を怖がらせてしまいます。またさする、撫でる、手を当てるという行為では医療現場でも看護・介護・リハビリ場面で用いられますが、患者さんや利用者さんにやみくもに触れると不快に思う方もいると思います。

私が臨床で心掛けていることは、

・まずは声をかけてどこを触れるのかなど伝えてから行うようにしています。

・冷え性なので手を温めてから触れるようにしています。

・ゆっくり触れるようにしています。

・触れた時は痛み等確認しながら、表情なども確認しながら行うようにしています。

山口は気持ちの良さを感じる触れ方の法則を述べている。

その方法は、1秒に5cmほどのゆっくりしたスピードで最もリラックス効果が得られ、逆に1秒に20cmの速度で触れた場合は交感神経が優位になり、覚醒度が高まると報告している。そして副交感神経系の応答を引き出すには、触れる圧力が400〜800グラムぐらいが適切で、手に圧をかけて疼痛部位の周りを撫でることが最もゲートコントロール理論に適った触れ方といえる。そして、手で大きくかつ長いストロークで「触れるケア」を行うことで、血液循環も促される

触れるケアで、リラックス効果が得られた部位は肩と手背である。大腿と腰部の触れるケアは疼痛や苦痛の訴えがあった時のみに実施されるが、リラックス効果を得ることはできない。

そして、触れるケアは、対象者の身体に手が直接触れるため、言語的コミュニケーション、非言語コミュニケーションなどを用いて対象者の意思の確認および了解を得ることが重要であり、このことが触れるケアの効果を高めることになる。

そして、人は人の温かさを求めその温かさの中に安らぎを感じ、孤独な人ほどより人との繋がりが作り出す温かさを強く求めるようになる、日常生活において親密な人間関係でない場合の身体接触は不快感をもたらす場合がある。

触れるケアで得られる効果

副交感神経が優位に働きリラックス効果

ゆっくりさするように触れられると気持ちよくなって眠たくなったりしたことはないでしょうか?私は、結構整骨院などに行くと寝てしまいます(笑)それだけリラックス効果を得ることができます。

上記にて不快を感じない触れ方でも述べていますが、リラックス効果が得られる部位は上肩と手背だそうです。

1秒に5cmほどのゆっくりしたスピードで最もリラックス効果が得られ、副交感神経系の応答を引き出すには、触れる圧力が400〜800グラムぐらいが適切で、手に圧をかけて疼痛部位の周りを撫でることが最もゲートコントロール理論に適った触れ方です。

触れる前に必ず相手の意思の確認と了承は必ず取るようにしましょう。いきなり触れると誰でも警戒や不快を感じてしまいます!注意しましょう。

・健常者への全身や背部へのマッサージはそれをしない場合よりも、リラクゼーション、皮膚温を上昇さえる効果が高い。

看護におけるタッチ/マッサージの研究:文献レビュー 川原由香里、奥田清子

疼痛や苦痛の軽減

痛み部位などをさすっていると、痛みが軽減した軽減などありませんか?

不快ない触れ方部分でも述べていますが、触れるケアで、リラックス効果が得られた部位は肩と手背ですが、大腿と腰部の触れるケアは疼痛や苦痛の訴えがあった時のみに実施されるそうです。これは疼痛や苦痛軽減ができるからだと思います。また、下記にも不安や苦痛軽減にも効果があると言われています。

看護におけるタッチ/マッサージの研究について18件の文献検討を実施した結果、以下の結果が明らかとなった。

・侵襲的な検査、術前、急性機などのストレス状況下では、軽くさすったりするタッチは、それをしない場合よりもストレス緩和、不安・苦痛軽減、血圧上昇の抑制、鎮痛剤使用の抑制効果が高い。また、会話をしながらのタッチは、会話のみの場合よりも、ストレス緩和の効果が高い。

・ナーシングホームやホスピスの患者、がんの患者に対するハンドマッサージやフットマッサージは、それをしない場合よりも、安楽、症状緩和の効果が高い。

看護におけるタッチ/マッサージの研究:文献レビュー 川原由香里、奥田清子

筋緊張の緩和

力が常に入っている人や気が張っている人は筋肉が強張ってしまいがちです。筋肉が強張ると血行が悪くなり痛みなどの不調を訴える方が多いです。

ゆっくり触れることで、副交感神経が優位に働きリラックス効果が得られます。また皮膚温が上昇することで、血行が良くなり緊張が緩むため痛みや血圧上昇の抑制などの効果も期待できます。

まとめ

「手あて」という言葉があるように、手で触れて相手とコミュニケーションを図り、相手に寄り添うケア手法のひとつです。 さすったり、撫でたり手を当てるなどの「触れる」という行為そのものが生み出す相手との信頼関係や、分泌されるホルモンの働きにより、多くの認知症でみられる周辺症状の緩和が期待できるケアと言われています。

実際に緊張が高い人や痛みがある方などに行うことが臨床でも多いと思います。

自分でもいきなり触れられるとびっくりするし、触り方によっては何も言わずに触れられると不快に思う方もいると思います。

不快を感じないようにするために

・触れる前に必ず相手に了承や確認を得ること

・触れる場所など伝えること

・ゆっくり触れる

・触れた後も不快がないか痛みがないかなど確認しながら表情もよく観察し行うこと

を注意しながら相手が不快にならないように行いましょう。

触れるケアで得られる効果

・副交感神経が優位に働き、リラックス効果が得られる

・疼痛や苦痛・不安軽減

・筋緊張緩和

・血行が良くなる

・血圧上昇の抑制

手を当て触れるだけでも、人の温かさを感じ人がいる安心感を得る方も中にはいると思います。信頼関係を気づくことでより効果も得られる率が高くなると言われています。

信頼関係を気づくためにもコミュニケーションをしっかりとり、相手が不快に感じないように対応しながら行いましょう。

一生懸命介護をしている家族の方も、さすってあげたり手を当ててあげるだけでも筋肉の緊張が落ちたりするので是非本人様に確認して、ゆっくりさすってあげて少しでも安心して血行を良くしてあげてください♪ 少しでも参考になれば嬉しいです。

ABOUT ME
rin8818hayashi
1987年生まれ。生まれも育ちも福岡の田舎です。 3年前にサーフィンライフを楽しむために宮崎へ移住。 経歴:専門学校卒業、国家資格を取得(平成21年)し、リハビリ職として15年間急性期〜維持期、在宅や通所・老健と医療や介護に携わってます。 自分の怪我の経験から普通の生活が送れることの有り難みや、多くの病と闘っている方々との関わりから何不自由なく好きな事をして過ごせている事がどれほど幸せなことなのか実感しています。 人生は一度きりです。どうすれば自分らしく生きれるのか、毎日笑顔で過ごせるのか、自分を幸せな気分にできるのか、そんなことを探しながら幸せの日々を噛み締めています。 ブログのテーマ ”自分が自分らしく生きれるためのちょっとしたコツを見つける!”