現在では、病院や介護施設など多様な領域で働いている理学療法士や作業療法士。2つの職種は似たものとして考えられることが多いですが、リハビリの内容や目的、活躍のばに異なる特徴があります。
今回それぞれの特徴を紹介したいと思います。
理学療法士
理学療法士は「寝返り」「起きる」「座る」「立つ」「歩く」といった基本的な動作の維持・回復を目指したリハビリで、患者さんや利用者さんが自立した日常生活を送ることをサポートします。基本動作練習の他に筋力や関節を動かす「運動療法」、ホットパックや低周波などの「物理療法」によって治療を行います。
また大きい病院(急性期や回復期)では、基本動作に加え主に足(下肢)や体幹といった部分にアプローチしていくと思います。
働く場所としては、病院やクリニックなどの医療機関(特に整形のイメージが強い人も多いと思います)、福祉施設、リハビリテーション施設などが挙げられる他、スポーツやフィットネス関連施設でも活躍するのが特徴です。
理学療法の仕事内容
医師の指示のもと日常動作の基本となる身体機能面のリハビリを行います。
例えば・平行棒使った歩行練習や杖を使った杖歩行練習
・ベッドからの起き上がる練習
・筋力や可動域を動かすための運動療法
・低周波やホットパックなどの物理療法
整形外科などのイメージが強く、スポーツ選手の怪我予防や怪我した選手の復帰への手助けなどで注目されています。病院でも高校野球のボランティアや整形外科によってはバスケやサッカーなどのサポートで行っている医療機関なども多いように思います。
現在は高齢者も増えていることから身体機能の回復だけでなく、身体機能の維持や健康の維持、症状の悪化を予防したりすることなどを目的として理学療法をされている方も増えています。
作業療法士
作業療法士は「食事」「排泄」「料理」「入浴」「手芸など余暇活動」「仕事」といった日々の生活に必要な応用的動作や社会適応能力の回復を目指したリハビリで自分らしい生活を送ることをサポートします。患者さんや利用者さんが自分らしい生活を送ることをサポートします。日常生活で必要とする作業内容に応じて訓練を行う他、社会復帰を目指して精神面でのケアまで行うことがあるのが特徴です。
また大きい病院(急性期や回復期)では、応用動作に加え主に手(上肢)にアプローチをしていくと思います。
働く場所としては、医療機関(総合病院、一般病院、精神病院)、介護老人保健施設、福祉施設、リハビリテーション施設などある他、就労移行支援事務所、放課後デイサービス(子供)など幅広い領域で活躍します。
作業療法の仕事内容
医師の指示のもと、応用動作や社会適応動作のリハビリを行います。
例えば・食事の動作練習
・入浴の動作練習
・着替え動作練習
・料理の練習
これ以外にも運動や手工芸、仕事や趣味活動などを取り入れる場合もあり対象者が必要とする作業はさまざまです。患者さんや利用者さんの希望を聞き、ご家族とも話し合いながらその人が大切な作業を決めます。その人らしい生活を獲得するためにサポートしていきます。
また、精神科などでは統合失調症やうつ病、認知症などの疾患・障害を持つ方に対してリハビリを通じて生活のしづらさを改善していく役割もあります。
施設や在宅などの訪問・通所などリハビリ職員が少ない場所では大きな振り分けはない
病院では、同期が20人もいてリハビリ職員だけでも130人スタッフがいた場所では上記のように役割がしっかり分かれていました。
しかし、訪問や通所、老健などで働いてみてスタッフが少数、担当性というのもあり理学療法士であっても応用動作を行ったりします。逆に作業療法士でも応用動作だけでなく基本動作も行います。違いはありますが、働く場所によっては大きく分けないことが多いと思います。
大きい病院でも両者ともに役割は異なるも、医療はチームが大切なので目標・ニーズや患者さんの方向性に向けしっかり関わっていくことが大切です。
まとめ
大きく役割を分けると
・理学療法士は、筋力や可動域などといった身体機能面に対して行う運動療法や人が必ず行う寝る、起きる、座る、立つ、歩くといった基本動作を中心に行います。また、整形外科などスポーツやフィットネスなどでもスポーツ選手の怪我予防や怪我した選手のサポートをする役割もあります。
・作業療法士は、運動療法はもちろん、食事をする、着替える、顔を洗うなどといった整容動作、入浴、トイレなどといった応用動作を中心に行います。また、精神面でもサポートやその人がその人らしい生活が行えるよう仕事や趣味などといったサポートを行う役割があります。
働く場所によりそれぞれの役割がしっかり明確になっていることもありますが、リハビリ職員が少人数の場所では理学療法士・作業療法士といった役割はなく利用者さんや患者さんにあったリハビリを提供していきます。どちらにしても患者さんや利用者さんの希望や目標に向けてその人がその人らしく生活できるように支援していくことが大切です。また、医療は他職種との連携が大切になるのでリハビリ職員だけが頑張ってもダメです。しっかりと他職種と連携し、患者さん・利用者さんのニーズ・目標に合った支援を足並みを揃えて行っていくことが大切です。
理学療法士も作業療法士どちらもとてもやりがいがある仕事です。