最近は梅雨に入ったのかな?と思うほど雨の日が続いていますが、太陽が出ている時は太陽を浴びていますか?
私達が子供の頃は山や川で毎日遊んでいましたが、姪っ子たちを見ていると外に行く機会が少なく屋内でゲームをして過ごしていることが多いです。また、在宅勤務や感染予防対策など気がつけば家の中で閉じこもっている人も多いのではないでしょうか?
15年医療や介護の現場で働いてみて、患者様や利用者様の中で覚醒が悪かったり、昼夜逆転になっている方に一緒にベランダや外にお散歩に出かけることもあります。それは、日光浴が体に良い影響を与えてくれると言われているし文献でも報告されているからです。
今回は、日光浴による効果を紹介したいと思います。
日光浴の効果
⭐️ビタミンDの生成
日光浴をするとビタミンDが体内で作られます。下記の文献通りビタミンDはカルシウムの吸収を促しカルシウムとリンの濃度を保ってくれる働きをしてくれます。骨を成長・再構築させてくれるとても需要な役割を果たしてくれます。そのため骨を丈夫に維持するため骨粗鬆症予防になります。Ⅰ)また、ビタミンDには、脳機能を正常に保つ作用があるので認知症率を低下させると言われています。2)ビタミンDには免疫力機能を調整する働きがあると言われています。
ビタミンDは消化管においてカルシウム吸収を促進し血清中カルシウムとリンの濃度を適切に保つ働きを補っている。これにより骨の正常な石灰化•骨の成長•再構築がコントロールされ、健康な骨の維持のために重要な役割を果たしている。さらにビタミンDは低カルシウムによるテタニー(血液中のカルシウム濃度が低下して、末梢神経の興奮性が高まり、筋肉の持続的な硬直をきたすもの)を予防する。
ビタミンDの健康効果 法政大学人間環境学会(2019/3/31)宮川路子 1)
介護予防教室参加者の約3割が認知症低下者で25(OH)D欠乏症者、不足者は約90%いた。男性二次予防事業参加高齢者のみ認知機能と血清iPTH、25(OH)D濃度と関連が見られた。
日本老年医学会雑誌 Print ISSN:0300-9173 原著 二次予防事業対象者の認知機能とビタミンD 奥野 純子、深作 貴子、堀田 和司、他 2)
⭐️セロトニンを生成
セロトニンは脳内物質の一種で幸せホルモンとも言われています。セロトニンは眼底にある網膜が光を感じるとセロトニンの分泌が促されます。強い光を放つ太陽光はセロトニンの分泌を促すのにとても適しています。
セロトニンの働きとして、脳の覚醒、身体の活性化、痛みの抑制、食欲コントロール、リラックス効果やストレス軽減、睡眠の質を上げるなどが期待されます。
今回の研究で朝日を浴びることによって9名中7名の方が睡眠覚醒リズム障害が改善されたと思われる。起床時に朝日を浴びることで22時から0時ごろに睡眠ピークが移行した。このことは内山らが述べている。「朝起きてから目に入った太陽の光を受けると体内時計は朝を認識する。そして朝を認識してから14時間ほどすると体内時計は脳の奥にある松果体に指令を出しメラトニンというホルモンを血液中に分泌させ眠りの準備を始める。」という根拠に一致するのではないかと思う。
今回の研究で日中うとうとしていることの多かった利用者が発語が増え、表情も豊かになった。その様子を見て、職員の働きかけも積極的になり、生活の質の向上にもつながった。
高齢者の睡眠覚醒リズム障害への援助ー朝日を浴びよう!ー尾崎 恭子、河合 靖子、小久保真弓 日農医誌 54巻5号762〜766貢 2006.1
日光浴ポイント
適切な時間帯は午前中で効果を最大限に引き出すため、朝起きてすぐに太陽の光を浴びるとセロトニンが分泌され活動モードに切り替わる効果があります。セロトニン生成後14〜16時間でメラトニンが分泌されるので睡眠の質を上げるためにも午前中に日光浴をするとが大切です。
長時間の日光浴は身体に害となる場合があるので推奨されている日光浴は週3回、1日15〜30分。日光の強さは季節や天気、地域によってかなり違うので夏場などは時間を短縮したりすると良いと思います。
※セロトニン分泌量には限度があるようなのでほどほどの時間で切り上げたり、紫外線が強い日は木陰を選んで時間短縮したり工夫することが必要です。
ガラス越しは光量が減少する、紫外線をブロックするためビタミンDを十分に生成することができないようなので直接光を浴びてください。セロトニンの活性化には、2500〜3000ルクスほどの強さの光が必要だそうです。太陽の光は、曇りの日でも1万ルクス程度。一般的な家庭用の蛍光灯は500ルクスしかないでのセロトニンの分泌量を増やすには外に出て直接浴びることが大切だそうです。
日焼けしたくない場合は、手のひらでもOKです。しかし光にあたる面積が大きいほど効果はあります。
注意点
日光浴前は柑橘系はNGです。紫外線に対する皮膚の感受性を高める作用があり、日光に反応して皮膚にかゆみや赤みを起こしてしまう危険があるそうです。また、紫外線の吸収を助長するため日光浴前は柑橘系を避けましょう。
まとめ
日光浴を行うことでビタミンD生成によりカルシウム吸収促進で骨粗鬆症予防、脳機能を正常に保ち認知症予防に効果があるだけでなく、セロトニン生成でリラックスやストレス軽減(うつ予防)、脳・身体の覚醒、睡眠の質向上などの効果もあります。
朝散歩のすすめ。
運動不足は、「がん」「心臓疾患」「糖尿病」などの生活習慣病、そして「うつ病」や「認知症」などのメンタル疾患のリスクも飛躍的に高めます。「1日15分の運動で死亡率は半分に減る」という研究結果もあります。実際「1日に20分の早歩きで寿命が4年半延びる」という研究結果もあります。
精神科医がすすめる これからの生き方図鑑 樺沢 紫苑
朝はしっかり起きて朝日を浴びることでセロトニンを分泌させ、14時間後にメラトニンが分泌され夜はぐっすり眠れます。
自分もサーフィンで朝早く起きて日光を浴びた日はよるぐっすり眠れます。
体内時計がリセットされるため、昼夜逆転の改善、メリハリある生活を送ることができますよぉ〜♪