運動中に急に足を攣っていっとき動けなくなったりしたことはありませんか?
サーフィン中足を攣って溺れそうになったこともあります。筋肉が攣ると、痛みで力が出なかったりするのでスポーツを楽しむにも、パフォーマンスにも大きな影響を及ぼします。
筋肉が攣ってしまう原因と攣らないように対策して運動に臨むことで怪我なく楽しむことやパフォーマンスの低下も防ぐことができます。パフォーマンスはスポーツマンにとってはとても重要な部分です。今回筋肉のつる原因と対策を紹介し、スポーツをする方には快適に運動してもらえる助言になれんばと思います。
足がつるとは?
「つる」とは筋肉が痙攣し固くなり痛みが出現したまま動けなる状態を言います。
脚(足)がつるとは?
「脚がつる」ことは医学的には「筋痙縮」と呼ばれ、スポーツ競技者によって大きな負の影響を及ぼすことは想像に難しくありません。
運動時の脚のつりの原因と対策 Colnmn No.27(2022年9月) 青森県スポーツ科学センター
足が攣る(筋痙攣)原因
いろんな文献で言われていることは、筋疲労、脱水、血中の電解質、タウリン、クレアチン、ビタミンの減少および、環境温が考えられます。どの要因も賛否両論あり一概にこれが原因ということが言えないところがあります。
筋肉は脳から縮めろや緩めろという命令を神経を通して筋肉に伝えられスムーズに動くことができます。命令の伝達に関係している筋肉内のカルシウムやマグネシウムなどのバランスが乱れ、自分の意思とは関係なく突然収縮することで筋肉がつります(筋痙攣)。
運動中の筋痙攣は、使いすぎて起こる筋疲労や弱い筋肉部分(普段使わない箇所の筋肉)が急激に収縮されることで起きるとされています。それにプラスで脱水や血液の電解質のアンバランスなどの要因も絡んできます。
自分が足を攣った時を思い出すと、
・水を飲みすぎた時によく夜中に足をつっていた
漢方の専門家より「水を飲み過ぎると逆に体が冷えてむくみや足のつりにつながるよぉ〜。」と言われました。
水の量を飲みすぎないようにすると睡眠中の足のつりは無くなりました!
・自分の弱い筋肉の箇所(日頃のクセで使ってない場所)が運動中によくつる。
くせなど普段の生活の中で使わない箇所や元々怪我して弱くなっている筋肉部分にサーフィンなどして瞬発的にその部分を使うと私はつります。弱い筋肉部分は筋トレをするようにしています。また若い頃に比べて運動量もだいぶ減ってきているので、若い頃に比べてつることが増えているので日頃から運動をするように心がけてからだいぶつることが減りました。
つるは医学的に「筋痙攣」
「筋痙攣」の原因として、脱水や電解質不足が異常な筋収縮を引き起こすとされる「脱水説」と、中枢神経系(脳)に起因する、運動神経の異常な興奮で引き起こされる「脳由来説」の2つがあります。
脱水説は否定する研究も多く、脳由来説が多数派になっている印象を受けます。
※運動時の脚のつりの原因と対策 青森県スポーツ科学センター Column No.27 (2022年9月)
研究において、筋痙攣が発生しているときの筋活動の特徴を検討したもの、および筋に電気刺激などを加えることにより筋の電気生理学的な応答したものが多い。膝関節最大屈強において最大努力による膝屈曲動作を15秒間行うこと(筋痙攣テスト)により、膝屈曲筋群に筋痙攣を誘発し、膝屈曲筋群に筋痙攣を誘発し、表面筋電図を用いてその時の筋活動を観察すると、脱力しているいも関わらず、安静時と比較して大きな筋活動がみられる。下腿三頭筋における筋痙攣発生時の筋放電頻度は、随意筋力発揮時と比較して大きい。よって、筋放電頻度やベースラインの筋活動の増加が筋痙攣の発生に関与している可能性が考えられる。
筋痙攣の発生源については、中枢説(脊髄のα運動ニューロン)と末梢説(神経−筋接合部、筋肉)が考えられ、意見が2つに分かれている。
中枢説が支持される理由として、大腿直筋における筋痙攣発生時に異なる運動単位の活動が同期化したこと。その際に拮抗筋や対側肢の大腿直筋を随意収縮させることにより筋痙攣が発生している菌の筋電波形が変化したこと、下腿三頭筋に筋痙攣が発生した後、H反射が更新したこと、およびストレッチングや脛骨神経に対する電気刺激によって下腿三頭筋の筋痙攣が始まり、それが腱器官の抑制性Ib神経活動に伴うα運動ニューロンの興奮性の低下によるものと考えられることが挙げられる。
末梢説が支持される理由として、筋痙攣は筋の一部に発生し、その後は隣接した領域に広がることから、神経支配比が大きい筋では運動単位ごとに筋痙攣が生じる可能性は低いと考えられること、リドカインによって後脛骨神経の一部をブロックし、その部位よりも抹消側の神経を電気刺激することにより足底の筋群に筋痙攣を誘発できること、筋が伸張位にある時は随意筋力発揮および電気刺激よって筋痙攣を誘発できないこと、および神経ブロック後もストレッチングによって筋痙攣が治ることが考えらている。
どちらも説明できない点があるため、むしろ両方が関係していると考える方が妥当なのかもしれない。
※運動時に発生する筋痙攣の要因および予防 大野政人、黒川貞生、森田恭光 明治大学 教養教育センター紀要 2(1):037−042−2008
大学生が過去に筋痙攣を経験しているが、逆に、これまで一度も筋痙攣したことがない者が5〜8%いることは興味深い。筋痙攣の発生部位として下腿後面(62%)、足の裏(42%)、足の指(31%)が多く、他の調査においても下腿三頭筋に最も多く筋痙攣が発生している。思い当たる原因として、筋疲労(46%)、ストレッチ不足(42%)、久しぶりの運動(運動不足)(39%)など運動に関する要因が多くいが、筋痙攣が発生した際の動作として繰り返し走る(13%)や繰り返しジャンプする(10%)などのスポーツの動作よりも睡眠中や寝起きの伸び(47%)、無理な姿勢や不自然な力の加え方(33%)など日常生活動作が多いことから、大学生においては日常の運動習慣によって筋痙攣の発生状況は異なると考えられるが、運動に伴う筋疲労により筋痙攣を経験している者が多いようである。
※運動時に発生する筋痙攣の要因および予防 大野政人、黒川貞生、森田恭光 明治大学 教養教育センター紀要 2(1):037−042−2008
つる(筋痙攣)予防法と対策
一般的には筋痙攣は長時間の運動に伴って発生することが多いが、短距離の競技において筋痙攣が発生したことから、筋疲労、脱水、電解質異常など、長時間の運動だけでなく精神的ストレスが筋痙攣発言に及ぼす影響の検討なども必要と言われています。いろんなことが重なり起こっているようにも感じます。
普段から適度な運動する。(弱い筋肉箇所を動かす)
私たちは姿勢のクセなど日常生活の中で、よく使う筋肉とあまり使わない筋肉があります。このあまり使わない筋肉は普段力を発揮する場面も少ないので、筋力も弱くなります。運動する際に急に瞬発的に動かすことで起こったり、筋疲労にて発生します。そうならないためにも普段から運動をしてくこと、また運動している方は自分の弱い部分(筋力低下部分)がわかると思うのでその部分を鍛えることで収縮不全を防げます。
運動中弱い筋肉箇所をよく攣るので、トレーニングを行っています。行うだけで、だいぶつる回数は減りました!
ストレッチング
文献からも明らかな効果は認められないものの、実際行うことで減少したという報告もあります。運動後のストレッチングを行い、凝り固まった筋肉をほぐすことで血流が良くなり、運動後のケアを行わなずにそのままよりはケアをしておくことでつる確率は減るのではないかと思います。
普段から柔軟しておくことで、筋力訓練同様に筋肉の伸び縮めをしているので筋肉がびっくりすることが減り、つることも減ってきます。
運動後にケアをしっかり行うことで夜間に足がつることは減ると文献でも述べられているので行っていき少しでもつるリスクを減らしていくことが大切です。
実際、下腿三頭筋のストレッチングによって睡眠時の筋痙攣発現が減少した。及び、変化がなかったという報告があり、一定の見解が得られない。運動前のストレッチングが運動中の筋痙攣発言に及ぼす影響は検討した研究が見当たらないが、現状見る限り、明らかな筋痙攣予防効果は認められていない。
運動前や運動中などのこまめな水分補給を意識する
普段の練習中や趣味で行うスポーツでも、運動前、運動中で水分補給はしっかり行いましょう。スポーツ中は汗は普段の生活以上にかきます。その際にミネラルも失われれるのでミネラルが入っている飲料水を飲むことをオススメします。
1989年に開催されたテニスのフレンチオープンにおいて、大腿部に筋痙攣が発生した男子テニス選手が、ポイントの間ごとに水を飲み、脚のストレッチやマッサージを行い、ブレーク時にバナナを食べることにより、筋痙攣が次第に治り、大逆転勝利を収めた。しかし、これらの対処法を運動前に行うことにより、必ずしも運動中の筋痙攣の発生が予防できるとはいえない。
普段からバランスの良い食事をとる。
普段からバランスの良い食事を摂ることでミネラルだけでなく、ビタミンB群を摂取することで筋肉の代謝を促進させ筋肉のつりを予防できます。
日常生活における水とナトリウムの摂取量を増加することによって運動中に筋痙攣が発生しにくくなったものがいる事から、水およびナトリウムの摂取を心がけることにより筋痙攣の発生を予防できる可能性が考えらており普段から栄養バランスが良い食事を心がけたり、水分を摂る際も水だけでなくミネラルを意識する必要があります。
体を温める。
かだが冷えると、血流が悪くなり、筋肉に十分な栄養や酸素が届かなくなります。 特に、水分量が多くなったりすると水分は体を冷やすのでつりやすくなります。また寝ている時に足先が冷えると、足がつるリスクが高まると言われています。 筋肉疲労は長時間の同じ姿勢での作業や立ち仕事、過度な運動などで、筋肉に負担がかかると、乳酸などの老廃物がたまりやすくなります。体を温めて血流を良くすることで筋肉に酸素や栄養がしっかり届き、老廃物を外へ排出してくれます。過度の運動をした際は、湯船に浸かるなどして体を温めることでつる確率が減ります。
あまり運動しない時に水分摂取量が多くなると逆につる原因にもなるので、注意が必要です。私はこれでつってました。水分量を減らして体を温めることで(湯船に浸かる、ストレッチするなど)夜間につることは減りました!
まとめ
いろんな文献で言われていることは、筋疲労、脱水、血中の電解質、タウリン、クレアチン、ビタミンの減少および、環境温が考えられ、どの要因も賛否両論あり一概にこれが原因ということが言えないところがあります。また、筋肉は脳からの命令を神経を通して筋肉に伝えらるため、命令の伝達に関係している筋肉内のカルシウムやマグネシウムなどのバランスが乱れ、自分の意思とは関係なく突然収縮することで筋肉がつるとも言われています。
このようにつる原因は様々なことが言われていますが、一概に断定できるものが少なくまた一つだけではなく複数の原因が重なって起こる場合もあります。
そのため予防法として、ストレッチング、水および電解質の摂取が知られていますが、これに関しても科学的な裏付けが十分ではなく、実際、それらの対策によって運動時の筋痙攣の発生機序および予防法も明らかになっていないそうです。
しかし、筋肉がつる確率を減らしてあげることで快適な生活を送ること、スポーツでもストレスなく楽しむ、パフォーマンス下げることなく取り組むことができます。
・普段から水分補給をし水だけでなくミネラルも摂取する。
・適度な運動や弱くなっている筋肉を鍛えてあげること、筋肉の柔軟(ストレッチ)をして血流改善することで筋疲労が起こりにくい筋肉をつくり、収縮不全の解消でつる確率が減ります。
・体を温めることで血流を良くして筋肉に酸素や栄養がしっかり届き、老廃物を外へ排出してくれることでつる確率が減ります。
どの予防や対策も、運動中に確実につらないようにすることが難しいですが、ならないように普段の生活の中でも取り入れ意識して実行することで確率を減らしていくことは可能です。スポーツを快適に楽しく行うためにもパフォーマンスを下げないためにも参考にしてみてください!
※筋痙攣が治らない場合は医療機関を受診することをオススメします!