筋肉が硬くなると・・・
筋肉が硬くなると、血行が悪くなり疲れやすくなったり疲れが取れにくくなったりします。また、血行が悪くなるので老廃物が流れにくくなり、栄養や酸素が行き渡りにくくなります。また、硬くなっている筋肉を無理に動かそうとすると怪我のリスクが上がります。
正常な筋肉は伸び縮みがしっかりできる状態になります。しっかり緩めることで血行がよくなり疲れが取れやすく、老廃物も流れてくれます。また、栄養や酸素もしっかり行き渡り疲労回復も早まります。しっかり筋肉が伸び縮みしてくれることで、怪我のリスクをさげ流だけでなく、しっかり機能を果たしてくれるためパフォーマンスが維持・向上します。
特に足の裏に関しては、安全に歩くために衝撃を吸収し、前に進む力を生み出す役割があります。また、地面の形状に合わせ適合してくれます。
この機能が崩れると生活に支障をきたしてしまいます。
小学生の頃は川遊びで毎日のように裸足で石などを不安定な場所を動き回っていました。今は、裸足で遊ぶことも少なくなり靴での生活が多いです。
足裏には感覚受容器があり姿勢の調整を行う
足裏には、メカノレセプターと呼ばれる感覚受容器があります。これは、姿勢の平衡維持を働かせるためのセンサーの役割をしており、地面の形状・接地面などの情報を脳へ伝え身体が揺れても静止を保てるようにしています。その中でも前足部支持に重要性が指摘していると言われています。立位でのバランス機能を高めるためには足底感覚や足は脚力トレーニングをすることが重要と言われています。
文献でも足部把持力強化により静的立位姿勢制御時の重心動揺に改善効果が見られたと報告もあります。
都会化された文化生活では、足は毎日革の靴に閉じ込められ、比較的バランスのとれた足であっても、足底面がより柔軟になるように、また反応が伝達しやすいように活発に働きかけることは効果的である。足底組織に対する標準的なアプローチでは、アーチを支える各点、すなわち、踵、第1中足骨頭、第5中足骨頭の間を伸ばす。
足の構造・役割
足の骨は片側で28個、全身の骨の約1/4を占めています。55個の関節が歩いているときに調和をとりながら動き、安全に快適に歩くことができています。
歩く時の足の役割は、
・衝撃を吸収する
・力を床に伝えて前に進む力を生み出す
・地面の形状に合わせ適合させる
これらの役割を果たすために骨・関節・靭帯・筋肉が強調して作用することで、適切に機能しています。これらのどれかが崩れると、痛みや疲れにくさが出てきて機能バランスが崩れていき生活に支障をきたします。
足のアーチ
アナトミー・トレインー徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3班 訳 板場英行 石井慎一郎
足のアーチは、体重を分散し、衝撃を吸収し、歩行時の推進力を生み出す重要な役割を果たしています。足のアーチには縦アーチと横アーチの2つのタイプがあります。
縦アーチは2つあり、内側縦縦アーチと外側縦アーチがあります。
内側縦アーチは踵骨、距骨、舟状骨、内側楔状骨、第1中足骨からなり土踏まずの形成や歩行と密接に関わります。
外側縦アーチは、内側に比べアーチが低く、踵骨、立方骨、第5中足骨からなり強力な靭帯が保護しているため内側に比べ剛性が高いです。
縦アーチには、大きく2つの役割があり、1つは、体重を支え、衝撃を吸収することで、足にかかる負荷を分散する機能です。もう1つの役割は、ふくらはぎの力を足趾に伝えることです。この作用により、歩いているときの蹴り出しが可能となり、私たちは前に進むことが出来ます。この2つの機能を発揮するためには、足の関節や、靭帯、筋肉がバランス良く、適切に作用することが必要です。
横アーチは、足の幅を作る骨、つまり、5つの中足骨で構成されます。横アーチは、足裏の底面をドーム状に持ち上げ、足裏の筋肉や腱が体重を支えるようになっています。横アーチは、足の屈曲や伸展を容易にすることで、歩行時の推進力を生み出す役割も果たしています。
内側の縦アーチが過剰に低下すると扁平足になります。さらに踵骨の外反が伴う外反扁平足や横軸である横アーチの低下を示す開帳足、さらに母趾先端が外側に向く外反母趾などがあります。
足部アーチ構造の変化に関連する要因雲石に関する研究 中尾英俊
足の筋肉
足の筋肉には、足部の骨と骨を繋ぐように存在する小さな筋肉がたくさん存在します。これらの筋肉がアーチを構成させ地面からの衝撃を和らげます。また、足裏で地面を掴むことでバランスをとっているのでスポーツだけでなく、普段の生活を怪我なく送るにも足の筋肉は重要です。
足底筋膜
スパイラルラインと言われる身体を螺旋状に取り巻く筋膜ラインは、平面において身体のバランス維持を助けます。
このように筋膜は連携で繋がっています。どこかが悪くなれば、その代償が他の場所にも現れます。
足底筋膜は、後面部分と連結しているため、足底筋膜を緩めることで前屈が緩める前よりも柔らかくなると言われています。
足底面の問題の原因に多い。この原因はラインの残りの部分を上行し伝わる。足底面の制限は多くの場合、緊張性ハムストリングス、腰椎前弯、上部頚椎の抵抗性過伸展と関連する。足底面の構造的治療には、厚い足底筋膜を拳でこすって十分にストレッチせるなど筋膜リリースを促す方法で上部組織に伝える徒手でこの治療がうまくできない場合、以下に述べる「足の下のボール」の検討をしてもよい。
足底面は、下肢への情報伝達に問題が生じる要因となることが多い。足の外側部が比率的に短い場合、すなわち小趾が縮まっているか第5中足骨底が踵のほうに引っ張られている場合、あるいは、踵の外側部が前方にバンドを伸ばす必要がある。このパターンは内側アーチが弱く、体重が足の内側部分にかかる場合に生じることが多いが、扁平足でなくても発生する。
アナトミー・トレインー徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3班 訳 板場英行 石井慎一郎
足の裏の柔軟性や筋力を高めるためにすること
何度も重複しますが、柔軟性や足の筋肉を鍛えることで
・足裏がしなやかに動くことで路面の形状に適応しやすい。
・足の痛みが生じにくくなる。
・疲れにくい歩行の獲得が期待できる。
・転倒予防
・スポーツ選手はパフォーマンス向上が期待できる。
足裏の柔軟性
テニスボールやゴルフボールを使い体重足裏で転がす。
下記に書いておあるようにまずは評価してみてください。
膝を伸ばした状態で前屈します。自己にて行う場合はどの辺まで手先が来ているのか?その時の体の感覚が前屈した時の状態を覚えておきましょう。(例えば太もも裏が張るとか、全体的に後面が突っ張るなど細かく自分の状態を評価してください)
片足だけテニスボール頑健な対象者にはゴルフボール)を転がしながら足底筋膜深部に入れさせる。
ゆっくりと十分に圧をかける。これを、5趾指すべての球から後の踵前端まで全領域にいきわたるように少なくとも2〜3分間続ける。
再度もう一度前屈して手先と床の距離がする前と比べどうだったか?感覚的な部分で後面の張りがなくなったなど転がす前の感覚と実際転がした後の感覚がどうだったか感じてみてください。
私が実際に行ったら体全体が軽くなり、アキレス腱付近のつっぱりが軽減して前屈で床と手指先端の距離が近くなり可動域も拡大しました。
歩き方が悪かったので小指につく筋付着部分に負担がかかり痛みが出てた頃整形外科病院に通っていました。その時もゴルフボールで柔軟性を出してタオルギャザーで足指筋トレをして痛み軽減できてました!
今も職場で休み時間に職員さんとして体が軽くなるねぇと言いながらコロコロしていますw
都会化された文化生活では、足は毎日革の靴に閉じ込められ、比較的バランスのとれた足であっても、足底面がより柔軟になるように、また反応が伝達しやすいように活発に働きかけることは効果的である。足底組織に対する標準的なアプローチでは、アーチを支える各点、すなわち、踵、第1中足骨頭、第5中足骨頭の間を伸ばす。
簡単なテスト
SBL全体の関連性を容易に実施できるテストは、膝を伸ばした状態で趾指に触れるように対象者を前屈させる。このテストでは背部両側の輪郭と両手の静止位置を注意深く観察する。対照者には、背部両側がどのように感じされるか注目させる。
対象者を立位に戻し、片足だけでテニスボール(頑健な対象者にはゴルフボール)を転がしながら足底筋膜深部に入れさせる。早く強くではなく、ゆっくりと十分に圧をかける。これを、5趾指すべての球から後の踵前端まで全領域にいきわたるように少なくとも2〜3分間続ける。
次に対象者をもう一度前屈させ、背部輪郭の両側差と床から左右への手指先端までの距離を観察する(対象者に感じ方の違いを尋ねてもよい)。ほとんどの場合、この運動で、小さな一部が全体機能にどうのように影響するかをドラマチックに示すことができる。これは多くの人々に効果があるが、全員というわけではない。強度の脊柱側弯症やその他の左右非対称症がある人々は避けることがポイントだ。
これは治療としての効果もあるので、違いを評価した後、反対側も同じ手順を行う。
アナトミー・トレインー徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3班 訳 板場英行 石井慎一郎
健常人はゴルフボールでも良いですが、高齢者の方は痛みが強い方などは座ってテニスボールから始めるのが良いかと思います。
竹踏みやラップの頑丈な芯などを使用しても良いかと思います。
ゴルフボール↓
テニスボール↓
竹踏み↓
足底のマッサージを行うことで得られる効果
・血行が良くなりたいしが上がりむくみ改善効果がある
・疲れが取れやすく、老廃物も流れてくれる。
・栄養や酸素もしっかり行き渡り疲労回復も早まる。
・しっかり筋肉が伸び縮みしてくれることで、怪我のリスクをさげる。
・足の機能をしっかりと果たしてくれるためパフォーマンスが維持・向上
・転倒予防
・痛み等の不調の改善
足底マッサージを取り上げ実験により、両側足趾の皮膚温上昇および血流が実施前より優位に上昇したと報告している。また、前期高齢者下肢皮膚温上昇、産後の母親に対して測定マッサージ介入群での足底皮膚温上昇の報告が有る。
第5足趾皮膚温血流は足底マッサージ側(刺激側)で減少し、その後増加に転ずる傾向を示した、また反対側足底マッサージ(全身)では足底マッサージ中から増加する傾向を示し30分後まで継続した。このように刺激側と反対側で反応が異なる結果は、実験動物に対する灸刺激による筋血流の研究で確認され、刺激局所では交感神経α受容体を介して血管収縮が認められ、さらに足蹠への灸刺激が全身を増加させている報告がある。
足底マッサージによる腸音の優位な増加を報告しているが、中橋らは便秘傾向になる健康成人に対して便秘尺度で足底マッサージの効果を観察したところ、反応には改善だけでなくいくつかのパターンがあることを報告している。このことから、足底マッサージによる腸運動の変化は一律に増加するのではなく個人差や体調の相違で反応が異なるもと推測される。
足底へのマッサージが生体に及ばす影響 ノライニ・アズリン、成島明美、野口榮太郎
足指の筋力訓練
足指ジャンケンや足指を曲げ伸ばし
足を見ながらグーっと曲げたり、指の間全体を広げるように意識してパーっと開きます。それができる方は足の指でぐー、ちょき、パーと動かしてみましょう!
意外と左右差が出ます。私は、右側が弱いので右足指の開く時になかなか開かなくて、風呂場で浸かっている時に開くように意識して行うようにしてます。だいぶ開くようなりました!
運動中足指が攣りやすかったですが、するようになってからはサーフィン中に攣ることが減りました!
タオルギャザー
①フェイルタオルを広げて置き、タオルの一番先端に足を置きます。
②足指を曲げたり開いたりを繰り返しながら手繰り寄せていきます。
③最後まで手繰り寄せれればOK
※余裕の方は片足だけでやってみてください。それでも余裕の方はタオル先端(自分が足を置いている場所と逆部分の先端)に重りを置いてやると負荷がかかるのでぜひやってみてください。
病院で働いている時は、タオルギャザー、ビー玉掴みなどリハビリで実施していました!私も実際に整形外科にかかっているとき実施していましたよぉ〜!地味にきついけど、スポーツしている方はぜひやってみてください!
他にもビー玉掴みや立位で踵上げ(カーフレイズ)などもやってみてください。
まとめ
足指などを動かす場面や足の指を使う場面も減ってきているため、現在の若い子でも足指の力が弱く、歩くときに疲れやすかったり、感覚が鈍っている子も増えているそうです。動く機会も減っているため、足が遅い子も多いと聞いたことがあります。
足底は感覚受容器も多く、覚醒が悪い患者さんなどにも足底をしっかり床につけて圧をかけたりして感覚刺激を与えたりしていました。
柔軟性を高めて、足指筋力をつけることで本来の機能を発揮できるだけでなく、痛みの緩和や立位バランスが良くなり転倒予防やスポーツ選手はバランスが安定するためパフォーマンスの向上だけでなくケガのリスクも減らしてくれる効果が期待できます。
足の機能がしっかり発揮できる状態にしておくと、歩行機能も上がるので歩いて移動することも苦にならないと思います!快適な日常生活を送るためにも、足の機能を上げていきましょう!