筋膜リリースという言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?足を細くするためにやっている方もいると思います。
筋膜の構造や役割、やることで得られる効果などを紹介できればと思います。
結論
ダイエット効果があるかと言うと、体重的な部分では効果が期待できません。
ただ、筋膜リリースをすることで血流がよくなりコリや不調の改善、姿勢の改善により見た目のボディラインが綺麗に見え見た目の効果は期待できます。また、ほぐすことで血流が良くなり行った場所が細くなると言う結果を実践したインスタグラマーがあげていたので周経が細くなる、血行が良くなることで代謝が上がるなどの効果は期待できると思います!
筋膜とは
構造と役割
・筋肉は筋膜という薄い膜で包まれています。筋膜は筋全体を覆っている最外層の筋外膜、いくつかの筋線維を束ねて覆っている筋周膜、さらに筋線維1本1本を包む筋内膜と3種類に構成された構造から筋繊維の動きを支えて、力の伝達を行います。
筋外膜:筋腹全体の表面を覆い、他の筋と分画している。堅固にコラーゲン繊維が織り合わされた束で、伸長に対して強い抵抗力を持つ。
筋周膜:筋外膜の下にあり、筋を小さい筋束に分割し血管や神経の供給のための溝を形成する。この結合組織は、筋外膜に似て、硬く、厚く、伸張に対して抵抗力を持つ。
筋内膜:個々の筋繊維を包み込む。これはコラーゲン繊維が密に網目状になっているもので、部分的にも筋周膜に付着している。筋周膜は筋繊維との横の連結を通して収縮力を腱に連絡する。
分離した存在であるが、それらは一枚の連続した膜のようにみなされるほど、相互に折り合わされている。筋を包むすべての結合組織は、直接的あるいは間接的にその筋の腱に連結する。
隣接筋繊維が筋束内できつく結びついて力が伝達することにより、過伸張下における力の協調性と損傷部位の保護を可能としています。
文献にも述べられていますが簡単に言うと筋膜は繊維が結びついて、組織を通して伸ばしたり縮ませたりに合わせて効率的に変化しその力を伝え力の調整や組織内に保つために繊維を結合させたりして動きのバランスを保っています。
・各組織を包み込み、組織と組織の間に仕切りをつくり分けると同時にむすびつけ体の姿勢を保つ役割を持つ
筋膜はコラーゲンでできています。水分の枯渇やストレス、同じ姿勢での作業、筋肉の柔軟性の低下などにより、筋膜同士が癒着して筋肉自体の動きが悪くなります。筋膜は全身を覆っている組織です。痛みがある部分や連結している部分をリリースすることによって、症状が緩和することができます。
各筋の筋外膜に覆われており、骨の付着する腱と連続している結合組織層。筋周囲は結合組織ネットワークの連続で筋を束や筋繊維束に分かれている。筋周囲ネットワークは、腱や筋表面の筋外膜と融合し、これらは機械的に結合している。各束や筋繊維束内には、筋内膜が結合組織の連続ネットワークとなり、各筋繊維を分けている。
一般的に結合組織層は水和プロテオグリカンの不定形基質内のコラーゲン繊維により構成されており、機械的に組織内のコラーゲン繊維網と結びついている。コラーゲン繊維は、共有結合性架橋を形成することにより機械的に安定している。コラーゲン繊維の機械的強度や硬さのためには架橋結合は必須である。もし架橋がないと、コラーゲン分子は負荷がかかると相互間で滑り、強度を保てない。
筋膜は共有結合架橋に富んでおり、これらの架橋は筋内膜と筋外膜のどちらでも成熟変化をし、食事かタバコの煙によって体内に取り込まれた化合物により糖化架橋を促進する。そのため、コラーゲン架橋結合を通して筋膜を含め、ある結合組織の機械的特性は食事と生活習慣に影響を受けるだろう。
筋膜は筋組織の機能に重要である。隣接筋繊維が筋束内できつく結びついて力が伝達することにより、過伸張下における力の協調性と損傷部位の保護を可能とする。またこの力の伝達は、少なくとも連続した繊維筋では収縮力伝達の主要経路である。筋周膜と筋外膜が筋膜での力伝達経路としても作用するという根拠が多数存在する。
筋内膜:ネットワーク内で起こった張力に非常に適合しており、筋を収縮や弛緩させることにより、容易に筋繊維の長さと直径を変化させます。筋内膜が1つの筋細胞から隣接細胞へ、力のせん断の結合を起こしていることです。ネットワーク面上で簡単に変形でき、筋収縮と弛緩時に筋繊維が長さと直径を変えることができるため、非常に効率的です。したがって、筋内膜は、連続的3次元結合基質を形成し、筋束内の力の伝達を調整し、繊維を統一組織内に保っておくために、隣接繊維としっかり、せん断の結合をしています。
動筋の機械的役割に連続的に適合するために、筋膜は合成と再構築(リモデリング)間で連続的な動的バランスをとっている。
人体の張力ネットワーク膜・筋膜 最新知見と治療アプローチ 竹井仁 監訳 Schleip Findley Chaitow Huijing 原著
筋膜の代表的なライン
「アナトミー・トレイン」は、有効な筋筋膜経線は、力を伝達する直接的な繊維性の接続を通して、一定の方向と深さで進行する必要がある。また、筋筋膜経線がどこで停車し分岐するか、あるいは別の線路を走っているかに注目することは臨床的にも役立つ。
これらのルールを変えたり、破られなければならない場所が見つかる場合もある。このようなルール違反を脱線と呼ぶ。脱線原因には、ルール違反にもかかわらず継続運行する理論的背景がある。
多くの駅は深層よりも浅層の繊維で次の筋筋膜につながることが多い。仙結節靭帯が分かりやすい例。より深層でははっきりと骨と骨が接続され、この接続を超える運動や伝達は極めて制限される。浅層にいくにつれて、別の筋筋膜「路線」とのつながりが多くなる。深層でのつながりが多すぎる状態は「ゆるんだ靭帯」となり、少なすぎる場合は「硬直」、あるいは不動となる。
アナトミー・トレイン ー徒手運動療法のための筋筋膜経線 訳 板場英行 石井慎一郎
筋膜リリースとは?
筋肉がスムーズに動くためには、この筋肉の周りを包んでいる筋膜の滑りを良くする必要があります。筋膜の柔軟性が良くなり滑りが良くなることで解されることを筋膜リリースと言います。筋膜リリースを行うことで、筋肉の柔軟性を引き出し、関節の可動域範囲が広がります。
筋膜リリースは、収縮した筋肉を弛緩させ、血液とリンパ循環を改善し、筋肉の伸展反射を刺激することにより、骨格筋の不動と痛みを治療するのに役立つと主張されている代替医療療法です. 筋膜は、筋肉を含む人体のほとんどの構造を包む、薄くて丈夫で弾力性のあるタイプの結合組織です。筋膜はこれらの構造を支え、保護します。 ウィキペディア(英語)
筋膜リリースを行うメリット
柔軟性の改善
身体の組織の周りを包んでいる筋膜が癒着すると、組織の滑りが悪くなり柔軟性が低下します。この癒着を解きほぐしてあげることで、身体の柔軟性向上が期待できます。
姿勢改善
筋膜リリースをすることにより不良姿勢などで凝り固まった箇所がほぐれるため柔軟性や可動性が向上し姿勢の改善につながります。筋膜リリースと一緒に姿勢を維持する体幹筋力強化を行うことでさらに姿勢改善が期待が高まります。
ダイエット効果は、体重的な部分ではなかなか難しいと思います。しかし姿勢改善で見た目ボディラインやや血行が良くなることで足が細くなる効果は期待できます。(周経が細くなる)
Instagramでも、筋膜リリースをして細くなったと報告しているのも見たことあるなぁ〜!
パフォーマンス向上
筋膜が癒着して柔軟性が低下していると、本来持っている筋力を発揮することが難しくなります。
筋膜リリースにより癒着をほぐし筋肉の柔軟性が向上することで本来持っている能力を引き出せます!
不調(痛み)の改善
筋膜リリースをすることで血流やリンパの流れも良くなります。血行が良くなることでコリや緊張が緩み、柔軟性が向上することで、本来の動きを取り戻し痛みの軽減が期待できます。
痛みの原因は様々であり、筋膜リリースをしてもよくなら場合は病院受診を検討した方が良いかと思います。
筋膜ローラーの使い方
・筋膜ローラーを床に置き、ほぐしたい部分をローラーの上に置きます。
・ゆっくりと体重を乗せて、最初は結構痛みがあると思いますが・・・。痛気持ちいなと感じる範囲で前後に動かしていきます。
強さは痛みを感じない〜痛気持ちい程度で行いましょう。時間は一箇所20〜30秒から始めなれてきたら少しづつ時間を伸ばし90秒程度で行いましょう。
※まずは短い時間から行い、痛みやだるさなど出てこないか確認しながら、徐々に時間や回数を増やしていきましょう。行った後にやった箇所が軽くなったなぁ、動きがよくなったなぁ、可動範囲が広くなったりストレッチ時に前より柔らかくなったと効果が実感できる時間、強さや回数を探っていきましょう!
ローラーに抵抗があると言う方はまず、さすったり拳で押しながら前後に動かしていくのも良いかと思います。
まとめ
筋膜は筋肉を3種類の構造で覆っています。その構造は隣接間で繋がっておりうまく連携をとりながら組織を通して伸ばしたり縮ませたりに合わせて効率的に変化しその力を伝え力の調整や組織内に保つために繊維を結合させたりして動きのバランスを保っています。
アナトミー・トレインの連携ラインにのせているように原因箇所はそのライン上にあったりするし、連携していることで原因となるライン上をほぐすと柔軟・可動性が向上しスムーズに動かすことができたりします。
筋膜をほぐし、コリや癒着をときほぐすことで不調の改善、姿勢改善、血流が良くなることで柔軟性が高まり可動範囲が広がり動きもスムーズになると思います!少しでも参考になれば嬉しいです。一緒にほぐして心身ともに軽く動きやすい体を手に入れていきましょう!