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日頃の状況・健康状態を観察することで早く体調面や心身の状態変化に気づくことができるポイント!【リハビリや介護職の新人さん必見】

病院や介護施設など医療現場で働くと必ず患者さんや利用者さんの状態や変化、体調面などに目を向ける必要があります。それは、早く体調の変化に気づくことで運動の回数や内容を調整したり異常を察知して看護師や医師に報告・相談することで病気の早期発見に繋がることができるからです。実際に病院や介護施設でやってきた観察するポイントを紹介できればと思います。

バイタルサイン

バイタルサインとは?

バイタルサインとは、患者さんや利用者さんの生命(バイタル)の兆候(サイン)を表す基本的な情報になります。日頃の状態を把握し現在の状況や緊急性を数値として表すことで誰が見ても把握しやすく、他職種や情報伝達時に正確に伝えることができる重要なデータになります。病院から転院する場合や施設に移行する場合などは情報サマリーに記載したり、在宅や通所などのサービス利用時も測定しケアマネやご家族、かかりつけ医など報告します。急変時なども救急隊員に現状を迅速に伝える手段として、バイタルサインやその時の状況を報告するための情報として重要になります!

バイタルサインには脈拍、呼吸、血圧、体温の項目に加え、呼吸や循環器系の方は酸素飽和度が一般的です。緊急時や救急、集中治療室などの急性期では意識レベル、尿量なども含まれます。

測定する目的

患者さんや利用者さんの日頃の状態と比べて変化がないか?正常値や基準値から大きく逸脱してないか?以前の測定値と比較してどの程度変化があるのか?などを確認することです。

バイタルサインが正常値や基準値から大きく逸脱していれば、色々な検査を行い適切な処置を行います。また日頃の状態を把握しておくことで変化にもすぐに気づくことができます。

個人個人の状態により早期に治療が必要なのか経過を観るのかなどは異なります。そのため一般的な正常値や基準値を把握し、日頃から患者さんや利用者さんのバイタルを計測し、平常時の数値を記録しておく必要があります。個人個人のバイタルを把握・記録・伝達することによって、異常時の早期発見につながり患者さんや利用者さんの生命を守ることにもつながります。

血圧

血圧の測る目的

血圧は、心臓から血液が巡る際に毛管壁にかかる圧力を指します。全身の臓器・組織に血液を送る原動力となるため血圧は生命の活力を示す指標として重要になります。血圧を測ることで心機能の異変や全身の血液量の異常などを察知することができます。

心室収縮きに血液が動脈内に拍出されると血圧は上昇します。血圧が最も高くなった時の値を最高血圧(収縮期血圧)と言います。心室拡張期に血液の拍出が止まるとしだいに低下し、次の収縮開始直前に最低値となります。これが最低血圧(拡張期血圧)と言います。

最高血圧と最低血圧の差、つまり血圧変動の振幅は脈圧と呼ばれます。

系統看護学講座 専門基礎分野 解剖生理学 人体の構造と機能① 坂井建雄、岡田隆夫

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脈圧が小さいと心臓が拡張している時にも大動脈から血液が末梢血管に流れにくくなっている状態(末梢循環状態が悪い=詰まりやすくなる)なので、病院で働いてた時は脈圧も見るように言われてました!

血圧測定方法

・会話はやめて安静を保てる環境で行いましょう!周りがうるさかったり、会話をしてしまうと長袖などをたくしあげると衣類で上腕を圧迫してしまうのでしないようにしましょう。

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お話ししながら測ると興奮して血圧が上がる方が結構います。また、話しながら行うと音が聞き取りにくくなるので出来るだけ静かな場所で行うことをオススメします。

病院受診時に測ると血圧が高くなる人もいます。これはいつもと違う環境で行うため緊張したりすることでいつもより高くなる場合もあります。

・上腕動脈を確認。カフを巻く際に指が1〜2本入る程度の強さで巻きましょう。緩すぎると、血圧が高く表記されることがあります。下端が肘窩の2cm程度上になるようにカフを装着し、聴診器はカフへの接触を避け皮膚を密着させて片手でしっかりと固定させます。

引用:血圧の正しいシク低法とこれからの診察室血圧 長谷部直幸

成人における血圧値の分類(mmhg)

分類診察室血圧家庭血圧
収縮期血圧拡張期血圧収縮期血圧拡張期血圧
正常血圧<120 かつ <80<115 かつ <75
正常高値血圧120-129 かつ <80115-124 かつ <75
高値血圧130-139 かつ/または 80-89125-134 かつ/または 75-84
I度高血圧140-159 かつ/または 90-99135-144 かつ/または 85-89
II度高血圧160-179 かつ/または 100-109145-159 かつ/または 90-99
III度高血圧≧180 かつ/または ≧110≧160 かつ/または ≧100
(孤立性)収縮期高血圧≧140 かつ <90≧135 かつ <85

引用:厚生労働省 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html

体温

・体温は個人差が大きいため検温時はいつもどのくらいの体温なのか本人様やご家族様に確認しておきましょう。

また、高齢者になるとたくさん衣類を着込んでいる方も多く熱がこもりやすいため衣類等にも注意しましょう。

平常時の体温;36.5度(±5度)

測定

体温計は45度くらいの角度から脇の中央部(上方向)に向かって差し込みます。差し込めたら、体温計の先端が脇の中央部に密着するように、反対の手でけんおん足の腕を押さえてもらいましょう。

呼吸

急変時にまず一番に確認すべきは呼吸です。生命維持のためには体に酸素を取り込む必要があります。

呼吸回数;呼吸回数は吸って吐くが1回と数え、胸部と腹部の動きを見ながら1分間計測します。成人は14〜18回、新生児は約40回、小児は25〜30回

呼吸音:呼吸回数を測る際に一緒に呼吸音も確認しましょう。音の減弱や異音といってゼーゼー、ヒューヒューなど発していないかを確認しましょう。

視診:胸の動きに左右さはないか?表情が苦しそうではないか?いつもの呼吸状態と比べて変わりがないか?チアノーゼになってないか?意識状態は?など普段と比べて呼吸パターンや左右差、表情など観察しましょう。

場合によっては聴診器をあて肺の音、呼吸音なども聴診しましょう。※聴診器を当てるときはいきなり当てると冷たいのでびっくりします。チェストピース(胸に当てる部分)を少し手で温めてからがオススメです。もちろん緊急時は温めている時間はないと思うので臨機応変の対応でお願いします。

酸素飽和度測定

酸素の循環における重要な指標として血中にどれだけ酸素が含まれているのかを示すSPO2も挙げられます。この数値が95%を下回ると呼吸不全が疑われるので注意が必要です。これはパルスオキシメーターという機械で簡単に測定することができます。

呼吸回数や呼吸状態、呼吸音などと合わせて活用しましょう。

脈拍

脈拍の目的

血圧同様に血液循環を把握するための指標になります。

測定方法

人差し指・中指・薬指の3本の指の腹を手首の橈骨動脈(手首の付け根親指側)に軽くあて、ドクドクと拍動が伝わってくるのでその拍動が1分間で何回触れるかを測定します。

正常値は成人で60〜100回とされています。異常値として1分間に100回超える場合は頻脈50回未満は徐脈と呼びます。

脈拍の回数(多い、少ない)

脈拍のリズム(整(規則的)・不整(不規則)の有無)→基本情報を把握し既往歴などに不整脈がある方は、不規則の可能性が高いです。また、

脈拍の性状(抹消血管抵抗の大きさ、立ち上がりの速さ)

脈拍の左右差など確認

頻脈や徐脈、脈拍のリズムの乱れが見れる場合は、心機能の異常や脱水症状などの可能性があります。同時に意識状態や呼吸、皮膚の温度を観察しましょう!

橈骨動脈が難しい場合は、上腕動脈それでも触れない場合は大腿動脈や頸動脈での拍動を確認しましょう。

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足に血栓などある人は左右差での違いがないか?足背動脈でしっかり血流が流れているか?拍動が弱くなってないか?など確認するように新人の時に言われたことを覚えています。

引用:好きになる解剖学 竹内修二 著

日頃の状態をしっかりと観察する

医療従事者は人と接する仕事です。日頃から患者さんや利用者さんの様子を観察しておく必要があります。普段からしっかりと観察していることで、何か変わったことがあった時に、どんな変化にもすぐに気づきやすくなります。体調が悪い時などは表情や動作にあらわれやすいので、表情、顔色、食事量だけでなく、習慣や癖、動作をよく観察しましょう。

顔色や表情の確認

健常な人でもそうですが、体調が悪いと顔色が悪かったり笑顔がいつもより少なかったりと表情や顔色に出やすいです。いつもと様子が違う場合は、バイタルを測ったりして異常がないか確認しましょう。また、精神状態が落ち込んでいる場合もあるので気持ちの面もチェックしていきましょう。

食事量や排泄状況

体調が悪い時は食事量も残してしまいます。元々残さず食べる人が残したりすると体調面の確認などを行いましょう。水分量も一緒に把握しておくと良いでしょう。

排泄に関しても食事同様に毎日のことなので変化に気づきやすいです。尿や便の色や量、日頃からチェックしておくことで体調じに異変として気づきやすくなるると思います。

言動

いつも穏やかな方が急に怒り口調になったり、いつもより喋る発話量が少なかったりなどの変化も重要になってきます。また、姿勢や行動などいつもしないような行動を取ったり姿勢の傾きがいつもより強かったりする場合は身体もしくは精神的な部分で変化があるかもしれないので看護師や医師に報告することをお勧めします。

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実際にいつもは穏やかなのに怒りっぽくなって体の傾きもすごく歩行もいつもより不安定になっていた方がいました。すぐに看護師に報告して、病院受診した結果硬膜下血腫になってそのまま入院になった方もいます。

日頃から性格や習慣、癖や行動など注意して観察しておくことで少しの変化にも気づくことができます!

まとめ

介護やリハビリで早くに体調に気づくことで、病気の早期発見だけでなく心身の状態や相手に寄り添える介護やリハビリが提供できると思います。人と接する仕事は相手を思いやる気持ちが大切になると思います。日頃から相手を観察し、身体面や精神面の状態を把握しておくことで少しでも参考になれば嬉しいです。

引用;厚生労働省HPより

好きになる解剖学 竹内修二 著

基礎運動学第6版 中村隆一 斎藤宏 長崎浩 著

系統看護学講座 専門基礎分野 解剖生理学 人体の構造と機能① 坂井健雄、岡田隆夫

ABOUT ME
rin8818hayashi
1987年生まれ。生まれも育ちも福岡の田舎です。 3年前にサーフィンライフを楽しむために宮崎へ移住。 経歴:専門学校卒業、国家資格を取得(平成21年)し、リハビリ職として15年間急性期〜維持期、在宅や通所・老健と医療や介護に携わってます。 自分の怪我の経験から普通の生活が送れることの有り難みや、多くの病と闘っている方々との関わりから何不自由なく好きな事をして過ごせている事がどれほど幸せなことなのか実感しています。 人生は一度きりです。どうすれば自分らしく生きれるのか、毎日笑顔で過ごせるのか、自分を幸せな気分にできるのか、そんなことを探しながら幸せの日々を噛み締めています。 ブログのテーマ ”自分が自分らしく生きれるためのちょっとしたコツを見つける!”