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今回は骨盤底筋群のトレーニングの効果をより上げるために行う方法をご紹介したいと思います!
骨盤底筋群について
骨盤底筋群
骨盤底筋群は、尾骨、恥骨、左右の坐骨を結んだ菱形部分(下図の黄色部分)のようなハンモック状に張っている筋肉です。
引用:肉単:語源から覚える解剖学英単語集筋肉編 原島広至 川合 良訓(著)
骨盤の底を構成していることが深会陰横筋、尿道括約筋、肛門挙筋、尾骨筋を総称して骨盤底筋群と呼びます。
骨盤底筋群は遅筋繊維の割合が高く、恥骨尾骨筋の前方部の67%、後方部での76%、また尿道周囲の肛門挙筋の95%と文献でも報告されています。
骨盤底筋群は個々で収縮せず、腹筋群や股間周囲筋と連結して収縮する。
股関節周囲筋群との連結
骨盤底筋群は、股関節周囲筋群は浅層と深層で連結しています。また、頭から足まで筋膜連結をしています。
詳細はこちらを参照してください。なかなかどこに力を入れて良いか分からなくてもどこが連結しているか知ることで、よりトレーニングの効果を上げることができると思います。
https://rinchan888.com/wp-admin/post.php?post=2153&action=edit
腹筋群と一緒に収縮する。
股関節周囲筋群との連結でも貼っているリンクの中にも腹筋群と骨盤底筋群のことについて記載していますが、ここでも紹介したいと思います。
いろんな文献からも腹筋群の収縮と骨盤底筋群の収縮でお互い活性化されることを報告しています。
腹腔は頭側には横隔膜、尾側には骨盤、骨盤底筋群、骨盤側壁の筋の腸腰筋、内閉鎖筋、梨状筋、背側では腰椎、腰方形筋や大腰筋などの深層筋、腹側と外側には腹直筋、腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋からなっています。
骨盤底筋群は腹横筋、多裂筋、横隔膜と共にインナーユニットとして体幹の安定化に関与すると報告されています。また、個々で働かずに骨盤底筋群の収縮により腹横筋の収縮も確認されています。
骨盤底筋群の収縮が適切に行われると、骨盤底筋群は挙上し、下腹部は凹みます。
誤った骨盤底筋群の収縮をすると骨盤底筋群が下降し、下腹部は外側へ膨隆します。
腹腔が高まると、横隔膜も胸腔側より支持され安静時だけでなく動作時もより脊柱と体幹が支えられ安定します。
引用:骨盤底筋トレーニングのための基礎と実践 田舎中 真由美、青木 芳隆
健常若年女性に対する骨盤底筋トレーニングおよび腹横筋トレーニング群の効果について検証を行なった文献を紹介します。
研究結果から
骨盤底筋トレーニング群と腹横筋トレーニング群はともに、介入後に背臥位での骨盤底挙上量が有意に増加した。また、骨盤底筋トレーニング群と腹横筋トレーニング群は、コントロール群と比較してこの骨盤底挙上量が有意に大きかった。このことから、骨盤底筋トレーニングと腹横筋トレーニングはいずれも骨盤底筋機能を向上される効果があると示唆された。 引用:(※1)
と報告しています。
つまり両者ともにトレーニング後に骨盤底挙上量増加=正しくトレーニングでき骨盤底筋群の機能向上効果があったと述べられています!
結果、週3回以上のトレーニングを実施しなかった1名を除外し、解析を行なった。
背臥位での骨盤底挙上量のみ交互作用が認められた。
介入前後の骨盤底挙上量を比較した結果、骨盤底筋トレーニング群の背臥位での骨盤挙上量、及び腹横筋トレーニング群の背臥位での骨盤底挙上量において、介入前と比較して介入後で優位な増加が見られた(表2)
介入前後の腹横筋均衡増加量を比較した結果、腹横筋トレーニング群の腹横筋筋厚増加量において、介入前と比較して介入後で有意な増加がみられた(表2)。
介入前後での各項目の変化量の群間差について分散分析にて検討した結果、背臥位での骨盤底挙上量の変化量で群間の有意な違いが見られた。多重比較の結果、背臥位での骨盤底挙上量の変化量はコントロール群と比較して、骨盤底筋トレーニング群および腹横筋トレーニング群において有意に大きい値を示したが、骨盤底筋トレーニング群と腹横筋トレーニング群の間に有意な差はみられなかった(表3)。立位での骨盤底挙上量の変化量および腹横筋筋厚増加量の変化量には群間で有意な違いは見られなかった(表3)。
引用:若年女性に対する骨盤底筋トレーニングおよび腹横筋トレーニングが骨盤底筋・腹横筋機能におよぼす影響 松原彩香、池添冬芽 (※1)
骨盤底筋群トレーニングを効果的に行うためにトレーニング前に行うこと!
効果をより上げるためには
①胸椎、股関節の柔軟性を向上
②日頃の姿勢を正す(不良姿勢改善)
③共同筋と合わせてトレーニングを行う。
ことを意識する必要があります。
①胸椎、股関節の柔軟性を向上させる
筋力を発揮するには、筋連結している部分の柔軟性が必要になります。筋連結している股関節や脊柱の柔軟性が低下してしまうと上手く動かすことができず筋力が最大限発揮できません。
腹部筋と骨盤底筋群はインナーユニットとして共同収縮するだけでなく、筋膜として連結している。下腹部の浅腹筋膜のうち、深層のスカルパ筋膜は、外陰部・会陰部の尿生殖隔膜に存在する筋群を覆う浅筋膜へつながっている。長期間の経過を経て腹部術総部に癒着を有している症例の中には、同側の骨盤底筋群の過緊張や柔軟性低下を引き起こしていることを臨床上経験する。術総部を直接リリースするまたは腹部が緩みやすい側臥位をとり、腹式呼吸を行うことで、内側からも癒着部のリリースを促すこともできる。
尿失禁・POP症例の多くは胸椎の後弯、骨盤後傾位であることが多く、骨盤底部への腹圧コントロールが適切にできないことが多い。したがって、胸椎の伸展を促す運動や、胸腰椎の柔軟性を向上させるCat &Dogなどが有効である。
股関節の柔軟性にはハムストリングすのストレッチを行う。指床間距離が短縮が認められる場合、ハムストリングすの起始部にボールを置き、自重を用いたボールリリースがより有効である。
骨盤底筋群の柔軟性向上にはHappy Baby Stretchが有効である。この姿勢では骨盤底部が上方を向くため、臓器の負担を除去でき、骨盤底筋群の動きを意識しやすい。さらに腹式呼吸を行い、吸気で坐骨結節間を広げるイメージで骨盤底筋群に空気を入れ、呼気で坐骨結節間を閉じ、骨盤底筋群を頭側に収束させていくように息を吐くようにする。10回程度を繰り返すことが容易に骨盤底筋群の柔軟性を向上させることができる。
引用:骨盤底筋トレーニングのための基礎と実践 田舎中 真由美、青木 芳隆
②日頃の姿勢を正そう(不良姿勢の改善)
日頃の姿勢はその人のちょっとした癖や、無意識のうちに身についた動かしやすい運動方向への反復動作、同じ姿勢での作業などで筋肉を緊張し、筋肉を常に収縮した状態が続いてしまいます。
これは少しづつ身体への負担となり、筋肉の使う部分が限られアンバランスを引き起こしていくことで不良姿勢が身についてしまいます。
この不良姿勢が続くことで骨盤の位置や脊柱の変形、関節が硬くなることで怪我や腰痛などの不調につながります。
文献でも報告されているように尿失禁・POP症例の多くは胸椎の後弯、骨盤後傾位であることが多いと言われています。この不良姿勢により横隔膜が上手く使えずに浅い呼吸になったり、腹筋が上手く使えず筋力低下に繋がることで骨盤底筋群の筋力低下も起こる可能性が高いです。
仕事でデスクワークの方や同じ姿勢で作業する人は今一度自分の姿勢を見直し不良姿勢になっているのでればできる限り正しい姿勢を心がけるようにしましょう。
座位姿勢のリンクを貼っておくので気になる方は↓
https://rinchan888.com/wp-admin/post.php?post=1206&action=edit
③共同筋と合わせてトレーニングを行う。
骨盤底筋群に力を入れようとしてもどのように入れば良いかわからないと思う方も多いと思います。実際私も入れているつもりでも本当に合っているのか不安です。
そんな方は、腹横筋や股関節内転筋群(股関節を内側に閉じる筋群)、大臀筋群などの共同筋と一緒にトレーニングを行うようにしましょう。
Perfactスキームによる骨盤底筋群の機能評価に基づき、収縮持続時間が4秒、反復回数が3回、、瞬発的な収縮回数が4であった場合、持久力のためのトレーニングとして4秒×3回×10セット〜/日、瞬発的な力のトレーニングとして4回×8セット〜/日として、機能を把握した上で各筋機能のトレーニングが30回以上行えるよう最低限のセット数から始めるホームエクササイズを指導している。
POP症例に対するトレーニングとしては、上部にある骨盤臓器を支えることができるように遅筋繊維の強化が必須である。トレーニングにおいては骨盤底筋群を頭側へ挙上位から骨盤内蔵器を支持したまま重力に対してゆっくり骨盤底筋群を弛緩させていく遠心性収縮を意識したトレーニングを指導することも重要である。
引用:骨盤底筋トレーニングのための基礎と実践 田舎中 真由美、青木 芳隆
腹横筋のトレーニングにはドローインなど深呼吸をしてしっかり息を吐き出すことで収縮を得られます。
まずはドローインから行い腹横筋・横隔膜を意識して行ってみてください。
腹筋群の収縮は骨盤底筋群の収縮も促し、活性化させてくれます。まずは、骨盤底筋群より入るのではなく腹筋や臀筋群など収縮を促しやすい部分から行っていきましょう。
ドローインのやり方
仰向けで、膝を立てて寝ます。拳一個分足幅を広げます。
右手は胸、左手は腹部に乗せます。
鼻から息を吸いながら、お腹を膨らませ口から息を吐きながらお腹が凹むのを確認してください。※息を吐くときは、骨盤が後傾、股関節を内側に閉じるイメージで(実際にボールやタオルなどを太ももに挟み内側に力を入れるようにする)行うと腹筋に効きやすいので試してみてください!
この動作を最初は回数を少なめに行い、慣れてきたら10回程度行いましょう。
できれば吸った時間よりも長く息を吐き、腹横筋を働かせたい場合は息を吐き切ってください。
※無理のない範囲で行いましょう。異常を感じた時はすぐに中止しましょう。
ヒップリフト
ドローイン同様に仰向けで、膝を立てて寝ます。足は肩幅に広げます。
息を吸い、息を吐きながらお尻をゆっくりあげています。
しっかりあげきったら息を吐きながらゆっくり降ろしていきます。
これを繰り返し10回行っていきましょう。
※無理のない範囲で行いましょう。異常を感じた時はすぐに中止しましょう。
まとめ
骨盤底筋群をしっかり収縮できるようにトレーニング前にすることは3つです。
・胸椎、股関節の柔軟性を向上
・日頃の姿勢を正す(不良姿勢改善)
・共同筋と合わせてトレーニングを行う。
この3つを行うことで、筋力を発揮しやすくまた効率的に筋力収縮を促すことができます。膣トレや骨盤トレーニングを行おうと思っている方は、日頃の癖や動かし方などを見直し日頃の姿勢を正しましょう。
この姿勢を正すためにも、筋力を発揮しやすくするためにも脊柱や股関節周囲など柔軟性が重要になります。キャットアンドカウなどを行うと胸椎の動きも出て腰痛の不調も軽減しました!骨盤の前後傾ができるか、脊柱を動かし股関節周囲もストレッチを取り入れていきましょう。
そして骨盤底筋群のトレーニングを行う前に連結している腹筋群や太ももを内側に閉じる運動やお尻の筋肉を働かせるようにすることでより骨盤底筋群の収縮を活性化することができるので是非、骨盤底筋群トレーニングに入る前にこの3つは行ってみてください。
無理のない範囲で、少しでも痛み等感じたら中止しましょう!
少しでも参考になれば嬉しいです。一緒に幾つになっても美しいボディを手に入れ不調が少しでも良くなるように頑張りましょう♪