最近家族に当たってしまう・・・
仕事中イライラする・・・
イライラが募ると強く当たってしまったり、そんな自分が嫌になったりと悪循環になってしまします。怒らない方法を身につけたいと思ってる人も多いと思います。怒りの感情は自分自身を守るために自然に湧いてくる感情です。蓋をしたり我慢したりするのはよくありません。ストレスが溜まってしまします。上手に怒りをコントロールして後悔しない起こり方を身につけることが大切です。
なぜ怒りっぽくなっているのか、理解しましょう。仕組みを知ると、怒りの感情を客観的に見ることができるようになります。
怒りの感情が生まれる原因
怒りを感じることには必ず理由があります。怒りが生じる原因を紹介します。
先が読めない
人は先が見通せない状態や心づもりしていたことが突然変わることに対してイライラしがちです。不安や焦り、期待が外れたり、予定が狂ったりするからです。
突然「事情があって変わったので中止」と言われるとなんで?と腹立たしく感じた経験があるのではないでしょうか。
期待や要望が大きい
人は無意識のうちに相手に「こうして欲しい」「こう動いてくれる」と期待してしまします。そのため、相手が期待通りに動いてくれなかった時にイラッとしがちです。恋愛で、相手に自分をわかって欲しい、大切にして欲しいといった期待や要望の気持ちが強いと、他の人に感じないようなことまで怒りを覚えてしまいがちです。
自分の価値観が壊された時
現代はダイバーシティインクルージョンの時代。多様な価値観や文化的背景を持った人たちで社会が構成されています。仕事をするときに隣の人は違う考えの人、という確率が上がっているのです。
自分の価値観と外れた行動を見たり、自分の価値観、考え方通りに物事が進まないときにイラッとしがちです。学生時代はm気の合う人とだけ一緒に過ごすことができますが、仕事ではそうはいきません。
怒りの感情を我慢し続けたり不適切な行動をとると関係が崩れてしまうので、上手にコントロールできるようになりたいすね。
心身ともに疲れている時
心と体が不健康な状態だと、ストレスを受けやすく疲労がうまく回復しないため悪循環に陥ちやすくなりがちです。
十分な睡眠をしっかりとり、ストレスを受けづらい体を作ることが大切です。
感情的になってしまうことのデメリット
感情的に起こることの最大のデメリットは、人間関係が崩れることです。後悔や自己嫌悪も感じます。思い切って言ったつもりが、本当にわかって欲しいことは伝わっていないことが多いのも事実です。
怒りの感情の本来の役割は、自分に脅威が迫っていると察したときに身体を臨戦体制に一瞬で整えること。脳はアドレナリンやノルアドレナリンを放出します。これらが、心拍数や血圧を上げ筋肉を緊張させ、全力で戦ったり逃げたりできるようにします。
私たちが怒りを感じると臨戦モードでカーッとするのです、感情的になるというのは、この働きに振りまわせている状態になるのです。
イラッとした時に冷静になれる方法
イラっとしたらまず深呼吸をしましょう。カッとなっている時は何も考えれず、ついつい言い過ぎてしまって後悔することもあると思います。まずは深呼吸をして気持ちを一旦落ち着かせましょう。
アンガーマネジメントでは反射的・感情的に何かを言ったりしないために「6秒やり過ごす」ことを勧めています。6秒経つと脳の理性が司る部分(前頭葉)が働き、冷静な行動選択がしやすくなります。
時間を少し置くだけで冷静さを取り戻す方法として有効です。
カウントバック
カウントバックとは、数字を後ろから数える方法です。百から3つずつ引いてみるのがおすすめだそうです。100・97・94・・・。意識を怒りの対象から、そらす効果があります。
怒りに温度をつける
怒りを感じた瞬間自分が感じた怒りの温度を1〜10で表してみなしょう。1はごく軽いイラッ、10は人生最大の怒り、という感じでつけてみてください。尺度があると必要以上に強く起こり過ぎてしまうことも防げます。
習慣化すると、6秒やり過ごせるだけでなく、自分がどんなことにどれくらい怒りを感じるのかもよくわかってきます。
コーピングマントラ
自分の気持ちを落ち着かせる言葉を持っておき、自分に呟きましょう。「コーピングマントラ」とは、対処するための呪文という意味です。「大丈夫、大丈夫」「ナンクルナイサァ」「まっ、いいか」など気持ちがほっかりする言葉ならなんでもOKです。大好きなお菓子の名前を唱えている人もいるそうです。
自分自身と頭の中で会話するよういしてみると冷静さを取り戻すことができます。怒りの感情を言葉にするのは逆効果なので、あくまで気持ちをポジティブなものにしたり、冷静にするための言葉を選択することが大切です。
コーピングマントラの言葉上記以外は、
・相手にもきっと理由がある
・大したことはない
・すぐ終わる
・一旦落ち着こう
・きっとこれから良くなる
タイムアウト
周囲と距離を置くために場所を変えることです。怒りを感じた際に、感情に身を任せて暴言を吐いたり、暴力を振るったりしなくなるため、最悪な状況を避けることができます。
その場から離れることで、落ち着いて考えることが可能になります。なぜ自分が相手に怒りを感じてしまったのか、相手に何をいうべきか、冷静に情報をまとめて、落ち着いてから話すことができます。タイムアウトは、「ポジティブフォーカス」「クロスポジション」「コーピングマントラ」とも相性が良いそうです。
ポジティブフォーカス
怒りの原因から目を逸らし、相手の良いところに目を向ける方法です。怒りを感じる相手との関係が深ければ深いほど、ポジティブフォーカスの効果があるそうです。
例えば恋人と喧嘩をしてしまった際に、過去のデートを思い出すことで、恋人に対する怒りを抑えることが可能だそうです。
クロスポジション
相手の立場や、第三者の位置で状況を捉え直すことです。客観的に自分を見ることができるので、自分の考えが本当に正しいのか落ち着いて考えることができます。
下記文献からも第三者の視点から解釈することは怒りを強く抑制するそうです。しかし再評価はストレス反応が生じた時、再評価は怒りを抑制しないと考えられているので、ストレス反応が生じていない時がいいかと思います。
・再評価
怒りを感じた出来事を第三者の観点から再解釈する。再評価は怒りや、怒りに伴う生理反応(平均最低値血圧と平均最高値血圧の上昇、皮膚混濁タンスレベルの上昇)を抑制するほか、リラックスした状態を表す心拍変動性の高周波成分を増加させる。分析的に行う反すうや、抑制と比較した研究は、これらの手法と比べ怒りを強く抑制する。また、気晴らしのように怒りを再び増加することもない。このように優れた特徴を多く持つ再評価だが、いくつか問題がある。
一点目は、気晴らしや反すうに比べ自発的に再評価をする人が少ないこと。2点目は、再評価はストレス反応は生じている時、怒りを抑制できないことである。
再評価の実施に際し活性化する認知制御領域は、ストレスによりパフォーマンスが低下するため、ストレス反応が生じた時、再評価は怒りを抑制しないと考えられている。
怒りの抑制法の特徴と問題点:システマティックレビュー 金谷悠太 川合伸幸 2021年度日本認知科学学会38回大会 P2-47F 名古屋大学、中部大学創発学術院
下記文献の抑制方法まとめ
・どの方法も抑制できる反面、抑制できない要因があるようです。
・自分から離れた視点から怒りが生じた体験の原因や結果を冷静に分析することが最も強く怒りを抑制できるそうです。しかし、恥ずかしさを伴った怒りは逆効果になるので注意が必要です。
・自然を五感で感じることで怒りは抑制されるそうです。自分の好きなものなども抑制効果があるようですが、激しい音楽などは逆効果になるので注意が必要です。
・反すう
4種類の反すうの怒り抑制効果を直接比較した研究は、自分から離れた視点から、怒りが生じた体験の原因や結果を冷静に分析することが、最も強く怒りを制御することを示した。この結果に基づくと、反すうを利用して怒りを抑制するためには、自分から離れた視点で思い出し、かつ怒りが生じた体験の原因や結果を冷静に分析することが望まれるが、この方法にはいくつか問題がある。一点目は、恥ずかしさを伴った怒りは抑制されないことである。怒りと恥の関係を調べた研究は、怒りと恥の間に強い正の相関を報告しており、特に劣等感を引き起こすような他者からの批判や悔辱は、怒りと恥を同時に喚起することがある。このような状況では、自分から離れた第三者の視点から原因と結果を分析しても、怒りは抑制されない。2点目は、過去の経験を離れた視点から想像することの難しさである。self-distancingを用いた感情抑制のレビューでは、過去の体験を離れた視点から眺めているかのように想像することが難しいと指摘されている。
・気晴らし
気奈良市は、怒りや怒りに伴う生理反応を抑制する。また、気晴らしは、分析的反すうや抑制と比べて強く怒りを抑制することができる。しかし、短期的な怒りを抑制するが、長期的な怒りを抑制することはできず、気晴らしを終えた後に再び怒りが高まるという揉んだいを持つ。
・攻撃行動
怒りを感じた相手を思い出しながらパンチバックを殴る、怒りを感じた相手に対して、悔辱的な評価やコメントを行う、怒りを発散させる目的をもって一人称シューティングゲームをプレイするなど、攻撃することによって怒りを抑制しようとする手法。これはフラストレーションを引き起こした対象に向かって攻撃することで怒りが発散され、抑制されるというカタルシス理論に基づいた手法。
パンチバックを殴ることはその後の攻撃行動を増加させてしまう。ヨガや水泳、ストレッチ、ランニングなどは攻撃と関係ない有酸素運動は怒りを抑制するが、合気道や格闘技エクササイズのような攻撃と関連の強い運動は怒りを抑制に向かないことが示唆されている。
・怒りと相反した感情や行動
怒りは接近動機づけの高まりを特徴とする情動であり、悲しみは回避動機づけの高まりを特徴とする情動である。悲しみの喚起は怒りを抑制しないが、怒りに基づいた攻撃行動を抑制した。怒りは接近動機づけと不快感の2軸から構成されているため、悲しみの喚起は怒りの構成要素の一つである接近動機づけを抑制するが、不快感を抑制しなかったと考えられる。また、参加者に怒りが喚起された後、ギフト券を渡すことで嬉しさを生じさせることでも怒りを抑制することができる。他にも、柔らかい口調でゆっくりと話すことは、怒りが生じた際の言動と相反しているため、怒りを抑制する。
主観的怒りは、抑制された研究と抑制されない研究があり、結果は一貫しない。
・他者との関係
赤ちゃんの写真を観察すること、男女カップルや母子が抱擁している写真の観察、自分を支えてくれる他者について想像することは、怒りや怒りに伴う生理反応を抑制する。他にも「他者のために祈る」ことは、他者の視点を想像することに繋がるため、他者の考え方を想像する再評価や、第三者の視点から怒りが生じた体験を振り返る反すうと同様に怒りを抑制する。
・その他の怒り抑制法
街中を散歩するよりも、自然公園で散歩する方が怒りは抑制されることや、樹木や自然画の存在があること、雨音が聞くことなど、自然の存在が怒りを抑制するという研究がある。他にも、明るい部屋に比べて暗い部屋では強く怒りが喚起されない。また音楽を聴くことでも怒りを抑制される。激しい曲調の音楽であると、自分が選択したかどうかに関わらず怒りは維持する。
怒りが生じた時に怒りを反すうして紙に書いても怒りは抑制されない。しかしその後、怒りを書いた紙をクリアファイルに綴じることと比べ、それをゴミ箱に入れる行動は、その物体を「ゴミ箱」に入れる行動は、その物体を破棄することを意味する。そのため、紙(怒り)をゴミ箱に入れる行動は、紙に書かれた心理的実存(怒り)を破棄したような感覚を生じさせ、怒りを抑制する。
怒りの抑制法の特徴と問題点:システマティックレビュー 金谷悠太 川合伸幸 2021年度日本認知科学学会38回大会 P2-47F 名古屋大学、中部大学創発学術院
無駄に怒らないための考え方
怒りの感情を感じること自体は、悪いことではないです。でも、強いエネルギーを持った感情なので振り回されがち。怒る必要のないことにまでつい怒ってしまうことは防ぎたいですよね。無駄に怒っていると疲れるし・・・。無駄に怒らない考え方をみていきましょう。
本当にそうか?
目の前で起きていることを、無意識のうちに解釈や意味づけをしています。
例えば職場の人に「おはよう」と言ったのに素通りされた時、どう感じますか?
「無視された」と悲しむ。「気持ちに余裕がないのかしら」など人によって感じ方は様々です。
イラッとした自分の解釈を「本当にそうなのか?」と自問して、いろいろな可能性を考えてみてください。自分の認知や思考の癖に気付くと、物事の感じ方が楽になることがあります。
本当に常識なのか?
人は誰しも自分の価値観を持ち、大切しています。イラッとしたときは「普通〇〇のはず」というワードが浮かんでくることがあると思います。
価値観は多様で常識は人によって違います。相手に悪気はないのかもしれません。自分のものさしだけで全てをはかっていないか、自問自答しましょう。
大切な人に「もう!」と怒ってため息をついても、相手は何故あなたが不機嫌なのか理解できずに困っているかもしれません。互いに考え方を伝え合うことが大切です。
人に期待をしない
相手には期待を持つと、そうならないときにイラッとしてしまいます。なので、相手に期待を持たないようにすることで気持ち的にも少しは怒りが抑えられると思います。信用がないとか、興味がないなどといった稚拙な意味合いではなく、人との付き合い方という意味で。
親しき中にも礼儀ありという言葉があるように、適度な距離感は人付き合いする上で重要です。
ネガティブなことを気にし過ぎない
自分自身の失敗や相手からの気になるような行動や言動といったネガティブなことは気にし過ぎないようにしています。
小さなことで感情的になっていては、穏やかな気持ちで過ごすことは難しいため、ネガティブな気持ちは早く入れ替えるようにすると良いでしょう。
まぁ許せる範囲のゾーンを意識
怒りやすい人は、何が起きた時に怒り、そのことに対して許せるのか許せないのかの二択で捉えがちです。その2つの間に自分の価値とは違うが許せるというゾーンもあることを意識してみましょう。まあ許せるのか許せないのかを考えると、起こる必要のないことが見えてくると思います。
怒らな人の特徴
・ネガティブなことを言わない
しんどい、やる気が出ないといった発言は周囲へも影響するのでそういった発言をしないようにしましょう。
・笑顔でいるようにする
怒らない人に対して、いつも穏やかと言った印象を持つもの。いつも笑顔でいることで周りの雰囲気も良くなると思います。
・気配りができる
ネガティブなことを言わない、笑顔でいるようにしているなど気配りの一つでもあります。自分に余裕がなければ周囲への気配りもなかなかできるものではありません。自分の気持ちに余裕を持たせることが大切です。
まとめ
怒りの感情の仕組みや取り扱い方をお伝えしました。
怒りの原因で怒りを抑制できることと、できないことがあるようなので注意が必要です。しかし、怒りに任せていうのではなくイラっとした際に一度深呼吸して間を開けると良いかと思います。
また、その際に違うことに目をむける(冷静になる方法でお伝えしたカウントバックや怒りを温度で表したりと違うところに意識を向ける)ことや少し相手と距離を置き冷静に第三者の目線で考えることが大切です。
私は、怒りを感じる前に相手に期待をしない、みんな考え方が違うんだと言い聞かせて怒りの方向にならないようにしています。
仲良い友達に目の前で嫌味を言われた時は、怒りをぶつけるのではなく「〜と言われて悲しかった」と伝えたりと工夫しながら自分の気持ちを伝えるようにすると相手にも伝わりやすくなるんじゃないかと思います。
怒りへの理解や原因などを理解し、冷静になってから相手に伝えるようにすることが大事だと思います。上手に自分の感情をコントールできて取り扱えるようになると、強い怒りを感じたり感情的になることも減るので、是非自分に合うやり方を見つけ要領を掴んで継続的に取り組んでみてください。